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2017.01.06

スネ夫、ダース・ベイダー…2016年、生涯を閉じた“名声優”たち

yuyake

2016年も洋画の吹き替えやアニメーションで多くの声優たちが活躍してきました。性別や年齢に左右されることなく「魅力的な声」と「圧倒的な演技力」で、バラエティ豊かな役柄を演じことができるその職業は、アニメが日本の文化にすっかり根付いた今、多くの人々、なかでも若い世代にとっての憧れとなっています。人に勇気や希望、そして夢を与えてくれる彼らですが、天国へと旅立ってしまった方も少なくありません。

大平透……4月12日 満86歳没

「スター・ウォーズ」シリーズのダース・ベイダーなど、さまざまな当たり役で知られる大平さん。海外アニメでは「ザ・シンプソンズ」のホーマー役、日本では「ハクション大魔王」の魔王など、恰幅の良い中年役で聞かせてくれた包容力ある声で昭和から平成のお茶の間を沸かせた大ベテラン。声優としてのみならず、スーパー戦隊シリーズのナレーションや後進の育成にも尽力されたことでも知られています。

ちなみに、公開中の『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016年)ではベイダー役を「TIGER & BUNNY」などで活躍の楠大典さんが引き継いでいます。また、2017年春に28年ぶりに新作が放送される「笑ゥせぇるすまん」の喪黒福造役は、大平さん直々の指名を受けてアーノルド・シュワルツェネッガーの吹き替えでおなじみ玄田哲章さんが担当されるそうです。

水谷優子……5月17日 満51歳没

「ちびまる子ちゃん」のお姉ちゃん・さくらさきこやミニーマウス、「ブラック・ジャック」のピノコなど、数多くの当たり役で知られる水谷さん。海外ドラマ「ビバリーヒルズ高校白書」での真面目系メガネ女子・アンドレア役など、一度聞いたら忘れられない個性的な声質と幅広い演技で、洋画&アニメ・ファンの記憶に強い印象を残されました。

病魔と闘いながら「ちびまる子ちゃん」のアフレコには4月22日まで参加。その一週間後に体調が悪化。入院しても台本は手放さず復帰の意思を示していたそうですが、5月17日に帰らぬ人となりました。現在、お姉ちゃんをはじめ水谷さんが「ちびまる子ちゃん」で演じていた役は、舞台などでも活躍する豊嶋真千子さんが引き継がれています。

田中一成……10月10日 満49歳没

TVアニメ「プラネテス」の主人公・ハチマキや「地獄先生ぬ~べ~」のシスコン不良小学生・木村克也、「コードギアス 反逆のルルーシュ」の玉城真一郎、「ハイキュー!! 」の烏養繋心など、個性的なキャラクターを好演されてきた田中さん。ディズニー・アニメ『ブラザー・ベア2』(2006年)の主人公・キナイ役での聴く人を包み込むような温かい声は、とても魅力的でした。

11月に続編制作が発表された「コードギアス 反逆のルルーシュ」10周年のイベントの際、「逝去の連絡を受けて玉城自体を封印しようかと悩んだ」と言う谷口悟朗監督は、(シリーズ構成・脚本の)大河内一楼さんの「田中さんが生きていたら、やはりキャラクターを全うしてほしいと言うんじゃないか」という言葉を受けて、「残った私たちが想いを引き継いで未来に繋げていく」と決意を新たにされていました。

肝付兼太……10月20日 満80歳没

1979年から2005年まで、アニメ「ドラえもん」でのスネ夫役をはじめ藤子不二雄原作のアニメで数々の個性あるキャラクターを演じられていた肝付さんは、その唯一無二の声質と卓越した演技力で、多くのアニメ・ファンの記憶に残る名声優です。「銀河鉄道999」の車掌や「ドカベン」の殿馬一人といったアニメキャラクターはもちろん、特撮番組の声優、洋画・海外ドラマの吹き替えでも活躍されました。

中でも2013年に公開された洋画のアクションホラー『武器人間』(2013年)の日本語吹替版では肝付さんをはじめ、現在のスネ夫役の関智一さん、新旧ジャイアン役のたてかべ和也さん&木村昴さん、新旧のび太役の小原乃梨子さん&大原めぐみさんほか「ドラえもん」の声優が豪華共演。さらに予告編のナレーションを大山のぶ代さんが担当され話題を集めました。

また「それいけ!アンパンマン」シリーズのホラーマンや「おかあさんといっしょ」内の人形劇「にこにこぷん」に登場するヤマネコ・じゃじゃまるなど、子ども向け番組でも大活躍。昭和時代後半は、肝付さんの声を聞いたことのない子どもはいないといっても過言ではないほどでした。

残念ながら、この世を去ってしまった声優たち。この先、彼らの新たな演技を耳にすることは叶いませんが、夢と希望、そして勇気と感動を与えてくれた力強い声は、作品と共にずっと愛され続けていくことでしょう。

(文/中村実香・サンクレイオ翼)

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