映画

2017.01.10

朝ドラ史上初の“結婚しないヒロイン”からみる、「女性の幸せ」の変化

work-500

2016年上半期に放送され、週間平均視聴率が全週20%を超えた人気朝ドラ『とと姉ちゃん』。歌手活動を再開した宇多田ヒカルさんの主題歌「花束を君に」も大きな話題になりました。様々な世代の人がハマったこの作品が実は“ちょっと変わった”作品でした。

常子は朝ドラ史上初の“結婚しないヒロイン”だった

NHK「連続テレビ小説」通称“朝ドラ”といえば、ヒロインと呼ばれる主人公が夢に目覚め、周りの支えを受けながら成長していく物語。頑張るヒロインの姿にパワーをもらえる! という人もかなり多いはず。 『とと姉ちゃん』で、主人公である小橋 常子は早くに父親を亡くしたため、父代わりとして家族を支えようと昭和のはじめから戦後にかけて、激動の時代を家族や仲間と共に必死で生き抜いていきます。 ただ、この『とと姉ちゃん』、これまでの朝ドラの定番とは大きく違う部分が1つありました。

それは “ヒロインが結婚をしないこと”。独身を貫くヒロインは朝ドラ史上初めてのことでした。物語の最中、星野さん(坂口健太郎)という互いに想いを寄せ合う男性も現れるのですが、結ばれることなく恋は終わるという展開になっています。事実、ヒロイン・常子のモデルとなった大橋鎮子さんも生涯独身だったそう。 ヒロインが“働くこと”を通して成長していく朝ドラは過去にも多く存在しますが、途中で結婚・出産を経るケースがほとんどでした。前作の『あさが来た』でも事業に目覚めていくヒロインを優しく見守る夫が大きな存在として描かれていましたよね。

共感? 疑問? 変わっていく幸福観

そんな異色のヒロインが主人公となった『とと姉ちゃん』。実際に視聴していた人の意見はどうかというと……「どうしてヒロインは結婚しないの? 幸せにならないの?」という意見もあったようです。ヒロインが結婚して幸せになっている姿が見たい! と思う人も多くいた一方で、「仕事で生き生きしている姿がいい!」という感想をSNSに書き込むファンも多数。これは、結婚をすることや家庭を守るだけではない、“女性の幸せ像”の変化がより強く反映された作品だったようにも思えます。 実際にドラマ内でも主人公の母・君子が、仕事に突き進む常子に対し「できれば素敵な方と出会って幸せに暮らしてほしいと思っているけれど、あなたを見てると幸せの形は1つではないと思う。結婚しなくてもあなたは充分に一人前です」と口にしています。 結婚をする・しないに関わらず、常子のように生き生きと働き、輝いている女性が、現代で新たに共感を呼ぶヒロイン像なのかもしれません。

現在放送中の『べっぴんさん』も、結婚・出産後の戦争で人生が一変したことを機に、ヒロインが友人たちと協力し合いながら仕事に打ち込んでいくという展開になっています。『とと姉ちゃん』でのヒロインの職場は男性ばかりでしたが、こちらは女性たちだけで事業をどんどん推し進めていく姿が印象的ですよね。描き方は違えど、仕事に生きがいを見出していく女性たちの姿は、常子が持つヒロイン像と共通している部分がたくさん。 現在制作が発表されている『ひよっこ』や『わろてんか』を始め、今後放送される朝ドラでも、この“仕事で輝いていくヒロイン像”が受け継がれていくのかどうか……注目したいポイントの1つです。

文●ロックスター 城下理沙

みんなの声

スポーツ

映画