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2017.03.20

吉岡里帆、「カルテット」で“好感度下げる”名演!淀君の異名持つ悪女役

放送中のTBS系ドラマ「カルテット」での演技がすごすぎるせいで、女優・吉岡里帆の好感度が下がってしまった!? どういう意味だと思われるでしょうが、そのままの意味。別にライターが何か書き間違えているわけではありませんよ! 吉岡が悪女役を見事に演じるあまり、「吉岡まで嫌いになりそう」という感想が続出したんです。

目が笑っていないアルバイト店員

「カルテット」は、“偶然”出会った30代の男女4人がカルテットを組み、軽井沢でひと冬の共同生活をおくるラブ・サスペンス。松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平たち実力派俳優がカルテットのメンバーを演じます。

日本テレビ系「Mother」、フジテレビ系「最高の離婚」、日本テレビ系「Woman」といったヒットドラマを手がけてきた“人間ドラマの名手”坂元裕二による完全オリジナル脚本だけに、張り巡らされた伏線、繊細な心情描写、シャレの効いたセリフ……と、ながら見には向かない緻密な作りの作品です。そのためキャストにも高い演技力が求められますが、その中で吉岡が演じたのが、淀君の異名を持つ悪女・有朱役です。

有朱は、カルテットが演奏しているライブレストラン「ノクターン」のアルバイト店員。「にこやかだけど目が笑っていない」という設定を、視聴者は始めこそ「また目が笑っていない!」と笑っていられましたが、彼女が物語の中で存在感を増していくにつれて、どんどん「笑えないよ……」という気持ちにさせられていったのでした。

ヒール役への最大級の賛辞

「カルテット」という物語の第1章は、「主婦である主人公・真紀(松たか子)は、夫を失踪と見せかけて殺害したのではないか?」という疑惑を主軸に展開していきました。真紀の姑・鏡子(もたいまさこ)から依頼されて、カルテットに身を置きながら、スパイ的に真紀の本性を探っていたチェリスト・すずめ(満島ひかり)でしたが、だんだん真紀に情が移ってきて――。そこで、鏡子が次に探偵役を頼んだのが、有朱でした。

吉岡が名演を見せたのが、2月14日に放送された第5話です。真紀とすずめ、有朱の会話シーン、雑談の振りをして有朱は「ご主人は家出? なんでですか?」とグイグイ核心に迫っていきます。意図がわからず困惑する真紀、真紀を守ろうとするすずめ、攻めの姿勢を崩さない有朱。揚げ足取りのように相手の言葉に絡んでいき、「ほら! 真紀さんも嘘つき!」と得意げに笑う有朱の姿を見て、イラッ……!と来た視聴者は多かったようです。

とにかく人間関係をひっかきまわす有朱ですが、その原動力が何かわからないのが不気味なところです。まるでブラックホールのような内面を抱えたキャラクターを見事に演じたからこそ、逆に視聴者からは「吉岡里帆まで嫌いになりそう」「吉岡里帆の好感度が下がりそう」という声が続出しました。しかし、ヒール役に対して、これはある意味最大級の賛辞ではないでしょうか。

吉岡の“ドロドロ”表現はこんなものじゃない!?

結婚情報誌『ゼクシィ』9代目 CMガールを担当したことや、グラビアでも活躍していることから、吉岡のことを「最近女優デビューしたモデルかグラドル」のように認識している人も多そうですが、彼女はずっと女優志望。女優を目指している子が、グラビアの仕事を受けてみたら、思いがけず反響が大きかった……という流れが正しいんです。

CMにも多数出演して、“人気者の美少女”的な明るいイメージで認知されているようですが、大学時代は学生演劇に力を注いでいたそうで、三島由紀夫や、唐十郎といった劇作品に触れたことを公言しています。また、公式プロフィールの趣味にも「新派観劇」を挙げており、かなりがっつり演劇畑を通ってきた模様……ということは、まだまだドロドロした表現や泥臭い表現が引き出しに入っていそう! 「カルテット」の有朱役では、その一端がのぞいたということかもしれません。ちなみに吉岡は、有朱というキャラクターへの自身の考察をブログにつづっており、こういうところが、なんだかいかにも舞台役者という感じです。

吉岡が、ただの清楚な美少女ではないことを示してきた「カルテット」。これまで悪女キャラといえば菜々緒でしたが、吉岡もそこに食い込んでくるかも? それとも、次の作品ではまた新たな表情を見せてくる……!?

(文/原田イチボ@HEW)

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