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2017.03.16

清武らJ2大分アカデミーが誇るファンタジスタの系譜を次ぐ者・野上拓哉

今季J2大分トリニータのトップチームへ昇格したアカデミー出身の18歳・野上拓哉。昨年4月にはトップチームの試合に出場できる2種登録もされた。「練習の雰囲気や試合前の緊張感がすごく伝わった」。ジュニアユースからの生え抜きが体感した“濃い”経験は貴重な糧となった。「1年目なんでガムシャラに練習するだけ。(大分アカデミー出身の)後藤くんや(岩田)智輝くんから失敗を恐れずチャレンジしろと言われた」と心強い先輩のアドバイスを受けて、ここまで伸び伸びとプレーしている。

彼の魅力は確かな足もとの技術と非凡なパスセンス。トリニータU-18では攻撃の核として、バリエーション豊かなプレーで一気にゴールに迫った。プレースキッカーとしての能力も高く、華麗なドリブルとボールさばきで強化部の心をつかみ、トップ昇格の狭き門は野上だけに開かれた。

「支えてくれた方々に感謝し、活躍することで恩返しをしたい」。女手ひとつでここまで育ってくれた母親にプロになると宣言したのは中学1年の時。6年間、しっかりサッカーと向き合い、ブレることなく突き進み、力をつけた。アカデミーの大先輩である清武弘嗣に憧れ、映像を繰り返し見ては真似た。今では大分アカデミーが誇るファンタジスタの系譜を次ぐ者となった。

課題は当たり負けしないフィジカル強化と90分間戦い抜くスタミナ。さらにプロスピードに慣れれば、公式戦のピッチに立つ日はそう遠くはないはずだ。伸び盛りの18歳。攻撃の万能選手として、大きな可能性を感じさせてくれる選手だ。自身の性格を「負けず嫌い。1対1の練習や紅白戦でも負けたくない」とアイドルのような甘いルックスに似合わず骨太である。「勝利の神様は細部に宿る」。山崎哲也コーチ(元U-18監督)の教えを今でも肝に銘じプレーするアカデミー出身者の活躍に期待は高まる。

【柚野真也】ゆの しんや。1974年、大分県大分市生まれ。大学卒業後、専門紙の記者として活動。その後、フリーランスのライターとして活動を開始。JリーグからFリーグ、バスケットボールのbjリーグなど、九州のスポーツシーンを数多く取材。「週刊サッカーダイジェスト」、「J2マガジン」「九州Jパーク」などサッカー専門媒体や、朝日新聞大分頁で毎週土曜にスポーツコラムなど執筆している。

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