みんなの声

2016.12.06

坪倉健児氏グランプリ/IBAバーテンダー世界大会

達磨 信

ウイスキー&バーガイド 達磨 信 / All About

坪倉氏、ワールド・バーテンダー・オブ・ザ・イヤーに輝く

世界一となった坪倉氏
世界一となった坪倉氏

前回記事で20年ぶりの日本でのバーテンダー世界大会開催を告知した。今回はその「ワールド カクテル チャンピオンシップス 東京2016」(以下WCC)の結果をお知らせする。
10月18日(火)~20日(木)の3日間、インターナショナル・バーテンダー・アソシエーション(IBA)加盟の世界64ヵ国の代表選手が帝国ホテル東京に集結して世界チャンピオンを決定する競技が繰り広げられた。
わたしは3日間すべての選手の競技を目にしたのだが、緊張感とともに華やかさ、そして賑わいのある大会だった。国内でもいろいろなカクテル大会が開催されるが、やはり国際色豊かなだけあって、まさにカクテルの、バーテンダーの祭典と表現できる。
喜ばしいことにクラシック部門のショートドリンク・サワー部門に出場した坪倉健児(つぼくらけんじ/京都府京都市「バー・ロッキングチェア」)氏がショートドリンク部門で優勝しただけでなく、全部門の優勝者が競うスーパーファイナルにおいても頂点のグランプリ、「ワールド・バーテンダー・オブ・ザ・イヤー」を獲得した。

坪倉氏の大応援団
坪倉氏の大応援団

競技にはフレア部門とクラシック部門がある。クラシック部門はスパークリング(エントリー13名)、バーテンダーズチョイス(12名)、ロングドリンク(13名)、アフターディナー(13名)、そして日本代表として坪倉氏が出場したショートドリンク(サワー/13名)の5カテゴリーに分かれて競う。
まずフレア部門とクラシック部門の各カテゴリーの優勝者を決定。そして最後にそれぞれの優勝者6人のみで競うスーパーファイナルによって「ワールド・バーテンダー・オブ・ザ・イヤー」が決定する。
部門競技もスーパーファイナルも同じ創作カクテルをつくるのだが、しかしながらファイナルはステージ上で自らのカクテルを英語でプレゼンテーションしながら制作していく。しかも途中、ステージ下に陣取った審査員からの質問に応えながらのプレゼンテーションとなる。

スーパーファイナルでの見事な対応

スーパーファイナルでの坪倉氏
スーパーファイナルでの坪倉氏

坪倉氏はカテゴリーでも、スーパーファイナルでも極めて落ち着いていて、わたしの目にはパーフェクトなパフォーマンスに映った。技術的な面での大きな減点はなく、問題は味わいの評価だけではないかと感じた。
「カテゴリーの時はちょっと慌てていました。準備段階から時間が早まったりして、バタバタしたままステージに上がり、あっという間に競技が終了した感じでした」(坪倉氏)
そんな様子は微塵も感じられなかった。日本代表ということもあり大応援団の声援が会場に響きわたるなか、微笑みを浮かべながらの競技振りは見事というしかなかった。
「ファイナルのほうが落ち着いてできましたね。英語での質疑応答も無難にこなせたと思います」(坪倉氏)

IBA会長ロン・ブスマン氏
坪倉氏創作『ザ・ベスト・シーン』の審査をするIBA会長ロン・ブスマン氏

今大会の日本代表が決定した昨年からファイナル出場を目指して英会話を学び、プレゼンテーション内容から推測できる審査員からの質問内容をいくつも想定し、英語での応答を繰り返し練習しつづけた。カクテル「The Best Scene」の創作と味わいの洗練、そして技術の研鑽だけでなく、プレゼンテーションに対応、克服するためにかなりの時間を費やしている。
「アドバイスいただいたNBA(日本バーテンダー協会)関係者の皆様、応援いただいたバーテンダー仲間、多くのお客様に感謝いたします」
そう語る坪倉氏の傍で涙する坪倉夫人の姿は多くの人々の胸を打った。夫を見守りながら、ともに英会話を学んだという。
次ページでは、フレア部門に出場した薦田匡史氏の結果をお伝えする

薦田氏、惜しくも入賞を逃す

薦田氏のフレア
薦田氏のフレア

フレア部門には46ヵ国からの代表エントリーがあった。わたしはフレア競技をこれまで国内での2大会ほどしか観戦したことがなく、よくわかっていない。しかしながら今回のIBA大会のフレア競技を観戦してショー的要素だけではない、高度なテクニックに魅了されてしまった。
フレア部門の日本代表は薦田匡史(こもだまさし/香川県高松市「バー&フレアRecommend」)氏。歌舞伎のメイクでのパフォーマンスに会場は大いに盛り上がった。しかしながら健闘及ばず入賞を逃した。

歌舞伎のパフォーマンスで魅了
歌舞伎のパフォーマンスで魅了

「アジアでの大会でも歌舞伎の演出は人気を得たので、世界大会もいける手応えはありました。とはいえ、海外の選手のほうがテクニックは高度だと思っていましたから、とにかくミスなく、とパーフェクトを目指したのですが、何度かボトルを落下させてしまいました。それが悔しいですね」(薦田氏)
技術的な面のことに関して、わたしはまったくわからない。ただ、海外の選手との体格差を実感するとともに、見た目の技の大きさには魅了されてしまう。腕の長さ、手のひらの大きさもあるだろう。そのため動線が大きく、ボトルの浮遊感も違って見える。なかでも東欧、北欧、中南米の国々の選手は素人目にも高い技術を誇っているように感じられた。

薦田氏
海外選手の競技を見つめる薦田氏

薦田氏は「悔しいですが、今後はできるだけミスを犯さないようテクニックを磨き、より安定感を身につけたい」と語ってくれた。たしかに残念ではあったが歌舞伎のパフォーマンスは海外の観客からも大きな歓声と喝采を浴び、日本代表としての重責を十分に果たした競技ぶりだった。
ちなみにフレア部門優勝者はポーランド代表選手だった。(撮影/川田雅宏)

関連記事

バーテンダー世界大会東京2016/10/30開催/応援に行こう

この記事に関するアンケートはこちら


【関連記事をもっと読む】

 

▼コラム提供サイトはこちら

生活総合情報サイトAll About(オールアバウト)。その道のプロ(専門家)が、日常生活をより豊かに快適にするノウハウから業界の最新動向、読み物コラムまで、多彩なコンテンツを発信。

みんなの声

スポーツ

映画