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2017.01.02

パレスホテル東京に学ぶ、ホテルのフランス料理の魅力

東龍

ブッフェ・フレンチガイド 東龍 / All About

ホテルのフランス料理

ホテルのビジネスは好調で、特に海外からの宿泊者が増えており、宿泊稼働率が高くなっています。しかし、国内の需要をみてみると、宿泊はよいものの、ホテルのレストランは敷居が高いと思われています。ホテルのフランス料理ともなると、なおさら敷居が高く感じられる人も少なくないでしょう。

最近では、新しいホテルがオープンする時にフランス料理店がなかったり、ホテルがリニューアルする際にフランス料理がなくなってしまったりと、ホテルのフランス料理は少し勢いがなくなっているように思えます。

ホテルの居心地のよさ、ホテルのフランス料理の素晴らしさを知っている私からすれば、これは非常にもったいないことです。

ホテルのフランス料理であれば、異性とのデートにはもちろん、接待などの仕事での利用でも、友人との食事にも、親類を集めての会食でも、様々なシチュエーションでお勧めできます。

ホテルのフランス料理の素晴らしい点を挙げると、以下の通りです。

  • 空間に余裕がある
  • サービススタッフが充実している
  • よい食材が安定して供給されている

パレスホテル東京「クラウン」を例に挙げて、ホテルのフランス料理の素晴らしさを説明しましょう。

空間に余裕がある

エントランスとアプローチ
エントランスとアプローチ


レストランは「3割が食材費で、3割が人件費」と言われており、それが大きなコストになっていますが、レストランを形成する空間や内装、さらにはテーブルウェアにも、もちろんお金がかかっています。ホテルの場合にはレストラン自体はもちろん、館内が余裕を持って作られていることが多いので、とても優雅に過ごせます。

レストランのドアを開けたらすぐ目の前がダイニングというのでは味気ないでしょう。ウェイティングスペースで身なりを整え、アプローチを経て心の準備をしてから、ダイニングへと到着した方が、胸が高鳴ります。デートであればドキドキと高揚しますし、接待であれば、最初に歩きながら軽い会話を交わした後に、着席して相手と顔を付き合わせた方がよいでしょう。

内観と景色
内観と景色


テーブル間隔が広いことも特徴です。友人や親類で食事している時に、リラックスしたり楽しくなったりして声が大きくなっても、隣のテーブルと離れているので、それほど気にする必要はありません。デザートやフロマージュのワゴンなども余裕を持って通れるので、サービス演出の幅も広がって、より楽しくなります。テーブル自体も広いので食べやすいでしょう。

個室
個室


仕事のことで絶対に他の人に話を聞かれたくなかったり、未就学の子供を連れてメインダイニングは利用できなかったりする場合には、個室を使うのがよいです。ホテルであれば、まず必ず個室が用意されています。メインダイニングとは異なる眺望を臨められたり、特別な内装が施されていたりと、新たな発見もあります。

テーブルセット
テーブルセット


クラウンの場合には、サービスプレートがレイノーでカトラリはエルキューイと普段は利用することのない一流のテーブルウェアで食事を楽しめます。窓の外には内堀通りが真っ直ぐ伸びており、500本のワインセラー(メインダイニングのセラー以外も含めると全部で1100種類)、ホテル全体で700点の館内アートなど、ホテルならではの豪華さです。

サービススタッフが充実している

ホテルでは、サービススタッフの数が多いです。1人のサービススタッフが担当するテーブルが少なくなるので、その分だけ担当するテーブルに気を配ることができます。1人1人のサービススタッフは、サービスのノウハウが蓄えられたホテルでしっかりと教育を受けているので、サービスの質も高いです。

料理やワイン、マナーで分からないことがあったり、何か失敗したりしても、さりげなくフォローしてくれるので、デートの時にも恥をかきません。誰がホストで誰がゲストかを配慮してくれるので、接待の時にも安心して利用できるでしょう。

子供を連れている場合には、子供向けの食器セットやチャイルドシートを当然のように用意してくれます。それだけではなく、例えば、食事の時間が長くなって子供が飽きてきた時には、お絵かきセットを持って来てくれたり、子供の相手をしてくれたりすることすらあるのです。

ワインセラー
ワインセラー


フランス料理であればソムリエが必ずいるので、ワインのことを何でも教えてくれます。最近ではヨーロッパのワインだけではなく、南米やアフリカのワインや日本酒に精通しているソムリエも少なくないので、お酒のことなら何でも訊いてみましょう。

ホテルにはサービスの知見がたくさんあるので、いかなるシチュエーションにおいても、安心して食事を楽しむことができるのです。

また、知る人ぞ知ることですが、日本で初めてのソムリエは、当時パレスホテルに在籍していた浅田勝美氏です。

よい食材が安定して供給されている

ホテルには宿泊者だけではなく、宿泊していない人もレストランや宴会場を使うので、たくさんの食材が必要となります。たくさんの食材を購入するために購買部が存在しています。購買部がよい食材を適切な値段で購入することによって、ホテルの食材を安定させているのです。

ある料理が食べたくて訪れたら、品切れとなっていたり、今日は提供していなかったりということは、予約していても起きうることでしょう。しかし、ホテルでは購買部がしっかりとリスク分散しているので、まず大丈夫です。

大切なデートや接待で希望するものが食べられなければ残念な雰囲気になってしまうだけに、料理が安定して供給されていることは重要です。

また、フランス料理ではトリュフやフォアグラ、ジロール茸やトランペット茸などのフランス産キノコ、鴨や鹿といったジビエなど、特別な食材を使いますが、ホテルだと質量ともに安心できます。またワインも豊富です。フランスやイタリアはもちろん、先程も述べたようにバラエティに富んだワインを用意しています。

シャンパーニュのワゴン
シャンパーニュのワゴン


通常はコスト削減のために、何種類ものシャンパーニュをグラスで用意したがりませんが、クラウンの場合には、食事前にシャンパーニュがワゴンで運ばれてきて、4種類ものシャンパーニュをグラスでオーダーできます。最後に飲むデザートワインも5~6種類用意されているので、ワインを選ぶ楽しみが広がるでしょう。

ここまで説明してきたところで、次の項目ではホテルのフランス料理そのものの素晴らしさをお伝えします。

黒トリュフコース

クラウンでは、旬の食材を十分に生かしたフランス料理を提供していますが、たとえば2016年12月1日から2017年1月31日にかけてのディナータイムには、フランス料理で最も盛り上がる黒トリュフを使った珠玉のコースを提供しています。

今回は例として、市塚学シェフが渾身の力を込めて贈る「La Truffe Noire ~黒トリュフ・コース」の魅力を余すところなくご紹介しましょう。

シャンパーニュ

ボランジェ・シャンパーニュ グラン・ダネ ミレジム 2005年
ボランジェ・シャンパーニュ グラン・ダネ ミレジム 2005年


シャンパーニュはワゴンで運ばれてきます。グラスで飲めるのは、通常は1種類だけということがほとんどですが、クラウンは4種類と非常に良心的です。

写真のシャンパーニュは、当たり年にだけ作られる「ボランジェ・シャンパーニュ グラン・ダネ ミレジム 2005年」で、ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%。

フィンガーフード

フィンガーフード
フィンガーフード


最初のスターターです。ミックススパイスとカシューナッツ、アンチョビとオリーブ、ミモレットのサブレなど、一口サイズの軽いものばかりです。シャンパーニュにもよく合う塩の加減です。

アミューズブーシュ:ポテトのニョッキ パルメザンチーズのエキュムとヴルーテ イベリコベジョータの生ハム ジュドポー カンボジア産ポワブルルージュ

アミューズブーシュ:ポテトのニョッキ パルメザンチーズのエキュムとヴルーテ イベリコベジョータの生ハム ジュドポー カンボジア産ポワブルルージュ
アミューズブーシュ:ポテトのニョッキ パルメザンチーズのエキュムとヴルーテ イベリコベジョータの生ハム ジュドポー カンボジア産ポワブルルージュ


幻想的なアミューズです。スライスしたトリュフがたっぷりと使われています。マスカルポーネとパルメザンチーズのヴルーテは、しつこくありません。他にはイベリコ豚の生ハムに、パルメザンチーズの泡、オリーブオイルと岩塩を加えたトリュフ。ポワブルルージュがアクセントです。

パン

パンのワゴン
パンのワゴン


最初に四角いバターブレッド、塩のチャパタが運ばれてきます。バターは、2016年夏から高級ブランドのエシレバターを使っています。

途中でパンのワゴンが到着します。先の2つに加えて、コーンとミルクのパン、あおさ海苔のパン、シリアルのバゲット、ライ麦パン、プレーンのバゲットと、種類が豊富。料理を邪魔しませんが、パンだけを食べても満足のおいしさです。

鴨フォアグラ、黒トリュフ、アーティチョークのプレッセ パートドフリュイ タルティーヌを添えて

鴨フォアグラ、黒トリュフ、アーティチョークのプレッセ パートドフリュイ タルティーヌを添えて
鴨フォアグラ、黒トリュフ、アーティチョークのプレッセ パートドフリュイ タルティーヌを添えて


フォアグラにはアーティチョークを合わせて鴨のスモークで包み込んでいます。トリュフが載せられたバゲットが贅沢です。

他には、アーティチョークのピューレ、洋梨のパート ド フリュイに金柑のジュースをパール状に固めたジュレ、エディブルフラワーのペンタスの花。黒胡椒を目の前で引いてくれるので、香りが立ちます。

スコットランド産オマールブルーのロティトピナンブールのクリュとエクラゼ 腕肉のバルバジャン ジュドオマールブルー

スコットランド産オマールブルーのロティトピナンブールのクリュとエクラゼ 腕肉のバルバジャン ジュドオマールブルー
スコットランド産オマールブルーのロティトピナンブールのクリュとエクラゼ 腕肉のバルバジャン ジュドオマールブルー


褐色が美しい守山硝子店のプレートで、料理が映えます。刻んだトピナンブールとトリュフは食感も面白いでしょう。バルバジャンはパスタで具材を包んだモナコ料理で、今回はほうれん草の生地。オマールブルーの身がおいしいのは当然のことながら、オマールブルーのスープも滋味があって忘れられません。

大山鶏胸肉を有塩バターで優しく火入れ スペルト小麦のリゾットと地鶏卵黄のラヴィオリ オニオンキャラメリゼのピュルプ トリュフのエミュルションとジュドヴォライユ

大山鶏胸肉を有塩バターで優しく火入れ スペルト小麦のリゾットと地鶏卵黄のラヴィオリ オニオンキャラメリゼのピュルプ トリュフのエミュルションとジュドヴォライユ
大山鶏胸肉を有塩バターで優しく火入れ スペルト小麦のリゾットと地鶏卵黄のラヴィオリ オニオンキャラメリゼのピュルプ トリュフのエミュルションとジュドヴォライユ


大山鶏は旨味のある胸肉をソーセージ状にしてトランペット茸を中に包んでいます。スペルト小麦のリゾットがよい変化。たっぷりのトリュフソースをかけ、トリュフに負けないくらい濃厚な卵黄を真ん中へ。

フランス産熟成フロマージュ各種

フロマージュのワゴン
フロマージュのワゴン


フロマージュはワゴンで運ばれてきます。カマンベールチーズ、ブリアサヴァラン、シェーブル2種、サントモール、ウォッシュチーズ、モンドール、エポワス、コンテチーズなど10種類程度。もちろん、全部いただくことも可能です。ドライフルーツ、カナダ産などのブレンドしたハチミツを添えてくれます。

アヴァンデセール

アヴァンデセール
アヴァンデセール


ライスミルクのアイスクリームの下には、オレンジとクランブル。最後のデザートへ向けて、口中をさっぱりにしてくれます。

黒トリュフのバシュラン

黒トリュフのバシュラン
黒トリュフのバシュラン


バシュランを現代風に再解釈し、トリュフを合わせ、美しく仕上げています。チョコレート、トリュフオイル、チョコレートのサブレ、ガナッシュ、キルシュのシャンティ、アングレーズソース、グリエドカカオ、ブリオッシュのクラッシュと、様々な要素が複雑な味わいを生み出しています。

ミニャルディーズと紅茶

ミニャルディーズと紅茶
ミニャルディーズと紅茶


小菓子はキャラメリゼしたカスタードクリームを挟んだパイ、カンパリのジュレ、モンブラン。ドリンクはコーヒーや紅茶をオーダーできます。紅茶はディンブラ、アールグレイ、ダージリンから選択できます。

■クラウン(CROWN)
住所:東京都千代田区丸の内1-1-1 パレスホテル東京 6F
TEL:03-3211-5317(レストラン直通)
営業時間:11:30~14:30、17:30~22:00
アクセス:地下鉄「大手町」駅のC13b出口より地下通路直結、JR線「東京」駅より徒歩8分
地図:Yahoo!地図情報
URL:http://www.palacehoteltokyo.com/restaurant/crown.php

※データは記事公開時点での内容です

※2016年12月1日(木)~2017年1月31日(火)のディナータイムのみ提供

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