マンU移籍が噂されるMFポグバ 写真は2016年5月21日(Getty Images)
「新シーズン開幕までに4人の補強を実現させたい」。マンチェスターUのジョゼ・モウリーニョ新監督は、就任会見でこう明言していた。
ここまで獲得した新戦力は、DFエッリク・バイリー、FWズラタン・イブラヒモヴィッチ、MFヘンリク・ムヒタリアンの3選手。フィジカル能力に長けた大型のCB、絶対的なエースストライカー、崩しの切り札となるアタッカー。実にバランスのよい補強だ。
さて、先述のモウリーニョ監督の言葉を信じるのであれば、もう1人の新戦力が加わるはずだ。それは誰か。メディアでは、ユヴェントスのフランス代表MFポール・ポグバの名が連日のように挙げられている。
■ターゲットはポグバか
EURO2016で期待通りの活躍を見せたわけではないが、その能力に疑いの余地はない。センターハーフとして世界トップクラスの実力を持ち、現在23歳とさらなる成長も期待できる。今後10年近く一線級で活躍できるタレントを加えることができれば、最高の補強となるだろう。
もちろん、1億2000万ユーロ(約134億円)とも言われる高額な移籍金が最大の障害だ。いくら優れた選手とはいえ、1人のプレイヤーを手にするための金額としては、常軌を逸している。しかも、過去にタダ同然で手放した選手を買い戻すために支払うのだから、当然首脳陣は二の足を踏む。
■中盤センターの補強は必須
しかし、モウリーニョ監督がチームの心臓である中盤センターの補強を疎かにするはずがない。チェルシー時代にベンフィカからネマニャ・マティッチを買い戻したように、必要とあらばクラブが過去に放出した選手であっても、獲得に動くだろう。
マンUはポール・スコールズの引退以降、中盤に問題を抱え続けている。負傷がちなバスティアン・シュヴァインシュタイガー、戦術にフィットしないファン・マヌエル・マタは放出の公算が大きく、マルアン・フェライニに展開力は期待できない。契約を延長したマイケル・キャリックは実力者だが、34歳のベテランにフル稼働を強いるのは酷だ。ウェイン・ルーニーについては、前線での起用を他ならぬ指揮官が明言している。
つまり、センターハーフの補強は必須事項だ。この夏の“ラストピース”は十中八九このポジションの選手だろう。
仮にポグバの獲得に成功すれば、本気で復活を目指すという強烈なメッセージになる。改めてクラブの格を世界に示すことも可能だ。史上最高額の移籍金も、名門復活を宣言する“広告料”込みと考えれば、捻出不可能ではないかもしれない。今夏、歴史的なビッグディールが成立する可能性は、十分にある。