ミドルズブラ移籍が決定したV・バルデス 写真は2015年1月11日(Getty Images)
ボロが積極的に動いている。イングランド北部ノース・ヨークシャーに本拠を構えるボロことミドルズブラが、8シーズンぶりとなるプレミアリーグでの戦いを見据え、ビクトル・バルデスを獲得。マンチェスターUではルイス・ファン・ハール監督(当時)との確執もあり、活躍の機会なくスタンダール・リエージュへとレンタルされていたが、世界王者の肩書を持つ元スペイン代表GKは、昇格組にとって大きな補強と言えるだろう。
バルデス以外にも、アイトール・カランカ監督のスペインコネクションを活かし、アントニオ・バラガン、ベルナルド・エスピノサを獲得。そのほかにも、将来性豊かなヴィクトル・フィッシャーや、マルテン・デローン、ジョーダン・マクギーの加入も決定済みで、アルバロ・ネグレドのレンタル移籍も決まった。メディカルチェックで肋骨の負傷が発覚したニーヴェン・スボティッチの移籍は破談に終わったが、サウザンプトンを退団したガストン・ラミレスの入団も近いと報じられている。中位以上を十分にねらえるスカッドが完成しそうだ。
2003-04シーズンにリーグカップを制し、05-06シーズンにはUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)決勝に進出。ボロは2000年代前半から中盤にかけて、イングランド内外で存在感を放っていた。しかし、08-09シーズンにチャンピオンシップ降格の憂き目に遭うと、思いのほか長い2部生活を強いられることになった。
待望の檜舞台を目前に控えた古豪が、並々ならぬ意欲を燃やしていることは想像に難くない。積極的な補強は、野心の表れだ。
もちろん、新加入選手が多いほど、戦術の浸透や連携の確立には時間を必要とする。それでもカランカ監督は、「新しくやってきた選手にとっても、マルベラでのキャンプはまだ1週間残っているし、3試合のテストマッチがある。今季はたくさんの選手が入ってきたから、トレーニングやホテルで一緒に時間を過ごすことが重要なんだ」と、チーム創りに焦りはない様子だ。
その自信は、厳しいチャンピオンシップを勝ち抜いた自信に裏打ちされたものだろう。かつてレアル・マドリーでジョゼ・モウリーニョ監督のアシスタントを務めたカランカ監督のもと、チームは着実に進歩を遂げてきた。一昨季はプレーオフで涙を呑んだが、昨季はリーグを2位で終え、自動昇格を勝ち取っている。降格したニューカッスル、低迷が続くサンダーランドといった北部のライバルを尻目に、新シーズンの台風の目になる可能性は十分にありそうだ。