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ウッチャンの3年ぶり監督映画『金メダル男』はまるでコント!? |dメニュー映画×コラミィ

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    (c)「金メダル男」製作委員会

    「ウッチャンナンチャン」のウッチャンこと内村光良が『ピーナッツ』『ボクたちの交換日記』を経て3年ぶりに監督したコメディ映画『金メダル』が、いよいよ10月22日より公開されます。本作では、監督のみならず、原作・脚本・主演もウッチャン自身が務め、まさに“内村ワールド”の真骨頂。これまで内村光良が地道に育んできた、「作り込んだ笑い」の要素がたっぷり詰まった作品になっています。

    監督・原作・脚本・主演の一人4役で内村ワールド全開!

    2011年にサンシャイン劇場で上演されたウッチャンの一人芝居「東京オリンピック生まれの男」がベースになっている本作。自身で映画化することが決まり、舞台用の戯曲を映画脚本に書き換えているときに、新聞小説の話が舞い込み映画化と並行して原作小説としても書くことになった、という異例の展開を見せた作品です。このエピソードからも、すでにウッチャンの多芸・多才ぶりを伺い知ることができますよね。

    1964年、日本中がオリンピックに沸いた記念すべき年に長野県塩尻市に生まれた秋田泉一は、小学校時代に徒競走で一等賞に輝いて以来、「絵画コンクール」や「火おこし大会」などでも次々と金メダルを獲得。いつしか「塩尻の神童」と呼ばれるまでになった彼は、世の中のありとあらゆる分野で一等賞を目指すべく、周囲の人を巻き込みながら「金メダル男」として波乱万丈の人生を送ることになるというストーリーです。

    司会業や俳優業をマルチにこなしつつ全身全霊でコントに取り組む!

    キャストは、「Hey!Say!JUMP!」の知念侑季がウッチャン扮する主人公・泉一の若かりし頃を体当たりで演じるほか、木村多江やムロツヨシ、土屋太鳳、平泉成、宮崎美子、笑福亭鶴瓶といった個性あふれる面々が脇を固めます。さらには大泉洋や竹中直人に、前作でヒロインを演じた長澤まさみ、NHK「LIFE!」で共演しているココリコ・田中直樹など、まさにウッチャンの映画ならではともいえる豪華な面々が入れ代わり立ち代わりスクリーンに登場。こんな個性派キャラが密度の濃い空気を作り出す『金メダル男』は、まさにウッチャンが作り続けた笑いそのものです。

    ウッチャンは、時代を象徴する時事ネタに当時ヒットした歌謡曲を被せつつ、何度挫折を繰り返しても決してあきらめることなく「金メダル」を目指して果敢に挑み続ける泉一の姿を、緻密に作りこまれた笑いでやさしく包みながら丁寧に描いていきます。学生時代から映画監督になる夢を抱きつつも「お笑いスター誕生!!」を受けたことがきっかけで、お笑いの世界に進んだ内村光良。その後芸人にとどまらずバラエティ番組の司会や舞台・ドラマの俳優業に至るまで、次々と活動の場を広げていった内村が、常にこだわり全身全霊で取り組んできたのが、「LIFE!」に代表されるようなコントなのだといいます。『金メダル男』には、ベタからシュールまで、これまでコントでやってきたことがすべて詰まっています。そしてそれは、投げっぱなしになることなく、常にどうしたら観客が楽しめるかを考え抜いたもの。もしかしたら、それが映画であっても、バラエティ番組であっても、人を楽しませたいという根底は変わらないのかもしれません。

    多才であるがゆえマルチな活躍を見せつつも、決してブレることなく真摯に「笑い」と取り組むウッチャンの一途な姿勢は、まさに本作の主人公・秋田泉一の健気さと通じるところがあります。社交ダンスから泳ぎ、アクション、漫才、歌に至るまで、過去に培った経験をあらたなクリエイションへと昇華されていくからこそ、映画監督になるという夢を叶えたのちも、内村光良は常に時代の第一線を走り続けていられるのです。

    (映画ライター・渡邊玲子@HEW)