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最初は期待されてなかった?あのシリーズが “まさかのロングラン”のワケ |dメニュー映画×コラミィ

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    全国公開中-(C)Universal Pictures

    マット・デイモンが実に9年ぶりにハマリ役を演じた『ジェイソン・ボーン』が、週末興収ランキング初登場2位と健闘しました。「ジェイソン・ボーン」シリーズは、デイモンにとって最も代表的なシリーズと言えますが、実は1作目『ボーン・アイデンティティー』(02)が2003年に日本公開された当初は、いまほど注目はされていませんでした。

    その前年、前々年に公開された『バイオハザード』(02)や『ワイルド・スピード』(01)も当時はジャンル・ムービー扱いで瞬発的な作品…と思われていました。にも関わらず、それぞれ10数年に渡って続編が製作される人気シリーズになるなんて、当時誰も予想していなかったと思います。ある意味「ダークホース」だった3シリーズが、世界中で愛されるロングラン・タイトルとなったのはなぜか? そのワケを考えてみたいと思います。

    1:痛快アクションでリアリティ追求…『ジェイソン・ボーン』シリーズ

    戦闘マシーンとして訓練された元CIA特殊工作員ジェイソン・ボーン。彼がCIAにより失われた記憶と自由を取り戻すため、毎回巨大な組織の陰謀に挑んでいくスパイ・アクションです。

    マット・デイモンは当時、『リプリー』(99)や『オーシャンズ11』(01)で存在感を示しながらも、日本での認知度はまだイマイチでした。知的さが先行し、アクションのイメージが皆無だった彼ですが、アメリカ軍や警察が実践するフィリピンの格闘術「カリ」を習得、切れ味鋭いファイティング・アクションを披露しました。カリは主に棒を用いて競う武術ですが、劇中ではカリの動きで接近戦や素手による打撃、関節技を多用しています。このシリーズ最大の魅力は、その格闘術を用いた血の通ったアクションと、手持ちカメラでの撮影&素早いカット割りが生み出す臨場感でしょう。

    ちなみに、シリーズは3作目『ボーン・アルティメイタム』でクライマックスを迎え、ボーン役続投の意思がなかったデイモンは同作のポール・グリーングラス監督作『グリーン・ゾーン』(10)に出演し、ジェレミー・レナー主演&トニー・ギルロイ監督で新章『ボーン・レガシー』(12)が製作されています。今回は「やはり自分たちが…」と思ったのかはわかりませんが、デイモン&グリーングラスがカムバックとなりました。

    2:夫婦の絆もロングランを後押し!?… 『バイオハザード』シリーズ

    Milla Jovovich
    12月23日(金・祝)世界最速公開!-(C) 2016 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.

    カプコンの世界的人気ゲームを実写化した、サバイバル・アクション・ホラーは、12月23日(金・祝)公開の6作目『バイオハザード:ザ・ファイナル』で、ついに完結を迎えます。感染するとゾンビ化する生物兵器T-ウィルスを開発したアンブレラ社と、武闘派ヒロイン・アリスの因縁&生死を賭けたバトルを描いています。

    このシリーズの強みは、全6作の脚本をシリーズ4作で監督を務めたポール・W・S・アンダーソンが手掛けていることと、ミラ・ジョボヴィッチの存在にあることは間違いありません。2人ともゲームの大ファンで、原作ゲームへのリスペクトも怠らず世界観を踏襲しながら「映画独自のストーリー」を構築していきました。第1作はアリスをはじめ主要人物は映画オリジナルだったものの、以降ゲームに登場するキャラクターが登場し、その都度ゲームとのリンクを印象付けます。もちろん敵であるゾンビの表現もリスペクト。アンダーソン監督のスタイリッシュな演出も評価され、シリーズはホラー&アクションファンに広く認知されています。

    また、ご存知の通り、監督とミラは撮影を通して結ばれ09年に結婚、シリーズの間にミラは2度出産を経験しながらも、15年に渡ってセクシー&本格的なアクションを見せつけてくれました。これも夫婦の結束とゲーム愛のなせる技でしょうか?

    日本においては、新規ゲームユーザーの開拓を怠らないカプコンが、ゲームの新作を積極的に投入、CG映画版「バイオ・ハザード」シリーズを日本で製作するなど継続的にファンを増やし続けていることも動員への援護射撃になっているようです。

    3:原点回帰でキャスト総動員!?…『ワイルド・スピード』シリーズ

    ストリート・レースに熱狂する若者たちを活写したカー・アクションです。01年当時、アメリカでも無名に等しかったヴィン・ディーゼルとポール・ウォーカーが主演した1作目は、業界の予想に反し全米週末興収1位に躍り出て話題をさらいました。俳優やCGに予算を回せなかったぶん、カー・アクションに注力したのが功を奏したようです。

    そんなスタートにも関わらず2作目『ワイルド・スピードX2』(03)でディーゼルが降板。日本で撮影した『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』(06)ではウォーカーも離脱し、人気は低迷。このままシリーズは収束…かと思いきや、ディーゼルが4作目『ワイルド・スピードMAX』(09)から人気は再び浮上していきます。

    『~MAX』からディーゼルは、プロデューサーとしても名を連ね、ここに来て1作目の主要キャストを再登場させました。そしてカー・アクションはより派手に、ストーリーはより深く、人間ドラマも盛り込んだ4~6作目は人気が右肩上がりとなり、大ヒットを記録します。彼の発想力がロングランの肝となったのです。しかし、7作目『ワイルド・スピード SKY MISSION』(15)で、撮影途中にW主演であるポール・ウォーカーを失ったことにより、今後の展開は危ぶまれています。

    こうして改めて振り返ると、ロングランにはキャスト&スタッフの熱意が必須であることが見えてきます。この機会に“シリーズ一気観”にチャレンジして、その熱い世界観に浸ってみてはいかがでしょう?

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    (文/足立美由紀・サンクレイオ翼)