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主要キャストの“他界”…それでも完結させた映画の「感動秘話」 |dメニュー映画×コラミィ

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    映画を1本作るためにはとても長い時間がかかります。大作ともなれば、数ヶ月から1年以上かけて完成するものも。さらにシリーズものだと10年以上かけて完結するものもあります。ゆえに、撮影中に残念ながら主要キャストが不慮の事故や病気で亡くなり、いわゆる「お蔵入り」となったという話は数知れず。一方、それでもキャストやスタッフの努力や熱意で、劇場公開まで漕ぎ着けた名作もまた多数あります。
    今回はそんな作品の数々をご紹介しましょう。

    1:ワイルド・スピード SKY MISSION(2015年日本公開)

    日本が舞台となった作品もある『ワイルド・スピード』シリーズの第7作品目は、ポール・ウォーカーが主演と言っても過言ではありません。シリーズ1作目からメインキャストを務めてきましたが、第7作『SKY MISSION』クランクアップ前に交通事故で亡くなるという悲しい事件が起こりました。当初製作は中止し、お蔵入りとなる方向だったそうですが、ポール・ウォーカーの家族やキャスト・スタッフの「彼のためにも完成させよう」という意思を尊重し、制作が継続されました。再開された撮影にはポール・ウォーカーの兄弟も撮影に参加し、脚本の変更やCGを活用し、対応した。無事大ヒット作となったそうです。エンディングの印象的なシーンで流れる楽曲は「ポール・ウォーカーへ捧げているようだ」と話題となり、全米チャート1位になるなど、大反響となったことも印象的です。涙なくしては観る事ができないエンディングとして後世に語り継がれることになるのではないでしょうか。

    2:Dr.パルナサスの鏡(2010年日本公開)

    『ブロークバック・マウンテン』で評価され、『ダークナイト』でアカデミー賞を受賞したヒース・レジャー。彼は『Dr.パルナサスの鏡』の制作期間中に睡眠薬などの服用による中毒で亡くなりました。まだ撮影半ばの状態だったため、やはりお蔵入りの可能性が高かったものの、彼の友人であったジョニー・デップ、コリン・ファレル、ジュード・ロウの3名が同役を演じる事に。まさに「友情が完成させた」作品と言えるでしょう。
    余談ですが、ヒース・レジャーといえば『ダーク・ナイト』のジョーカー役が遺作と言われていますが、映画「ダーク・ナイト」はすでに撮影は終了してしばらく経っており、この『Dr.パルナサスの鏡』が撮影途中であったので、正しくはこちらが遺作と言えるでしょう。

    3:ハンガー・ゲームFINAL:レジスタンス&レボリューション(2015年日本公開)

    『カポーティ』でのアカデミー賞受賞や多数のノミネート歴により名優として知られるフィリップ・シーモア・ホフマン。彼はハンガー・ゲームシリーズの完結編となる2部作『ハンガー・ゲームFINAL:レジスタンス』『ハンガー・ゲームFINAL:レボリューション』撮影中に薬物の過剰摂取により帰らぬ人となりました。本作品の場合は撮り終えていたシーンが多く、また過去のカットを活用することで無事完成したとのこと。大ヒットシリーズにはやはりさまざまなトラブルがあるものですね。こちらも余談ですが、フィリップ・シーモア・ホフマンは享年46歳。重厚な演技で大ベテランと思われがちですが、まだまだ若かった事に驚かれた方も多いと思います。

    4:ハリー・ポッターシリーズ

    シリーズ全8作。完結までに11年かかった世界的映画シリーズの『ハリー・ポッター』。これだけ長期にわたる映画なので、実は多数の出演者が完結シーンを見る前に亡くなっております。作品途中で役者が変わったことも。そのもっとも有名な例がハリーを導く恩師ダンブルドア校長役ではないでしょうか? 第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』、第2作『ハリー・ポッターと秘密の部屋』で校長役を演じた、リチャード・ハリスが第2作撮影後に病気で亡くなり、続く第3作『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』からマイケル・ガンボンに引き継がれました。もともと、 リチャード・ハリスは出演オファーを受けるつもりがありませんでしたが、大のハリー・ポッターファンの孫に「引き受けなかったら、もう二度と口をきいてあげない」と言われ出演を決めたとのこと。なんとも優しいおじいちゃんの姿を、お孫さんはきっと忘れることはないでしょう。

    いかがでしたか? なにげなく見ている映画作品にも、残された人の様々な思いが込められているのだと思うと、感慨深いですよね。完成させた努力や熱意に、賞賛を送りたいものです。

    ●文 ロックスター金谷