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ヘロイン中毒からスター・ウォーズで世界的スターに!ユアン・マクレガーの名演総ざらい! |dメニュー映画×コラミィ

    ダニー・ボイル監督×ユアン・マクレガー主演ほか、主要キャスト&スタッフが再集結した、90年代を象徴するポップカルチャー・ムービー『トレインスポッティング』(1996年)の続編『T2 トレインスポッティング』が4月8日(土)より全国公開されました。

    退廃的な日々を送るヘロイン中毒のレントン(マクレガー)、シック・ボーイ(ジョニー・リー・ミラー)、スパッド(ユエン・ブレムナー)、そして乱暴者のベグビー(ロバート・カーライル)の20年後の姿を描いた同作。ノスタルジックに過去を振り返りながらも、「未来を選べ」とささやくレントンの思い同様、未来への希望が映されます。

    レントン役のマクレガーは前作出演の後「スター・ウォーズ」新三部作のジェダイ騎士オビ=ワン・ケノービ役に抜擢され世界的スターとなりました。その彼のブレイクのきっかけこそ、このインディーズの香り漂うレントン役。続編出演に際し「僕の人生で最も重要で大切な役だから、とても緊張した」と吐露したマクレガーですが、中年になっても街中を駆け回る“20年後のレントン”を違和感なく体現しています。

    レントンとは対照的に、20年間で着実にキャリアを積んだマクレガーは、本作から「スター・ウォーズ」のような大作まで幅広い役柄で実力派として存在感を発揮してきました。

    『ビッグ・フィッシュ』……父親との確執を抱える息子

    『ビッグ・フィッシュ』 発売中 Blu-ray ¥2,381(税抜) 発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

    鬼才ティム・バートンの『ビッグ・フィッシュ』(2003年)は死期迫る父と、息子の和解の物語。マクレガーは、おとぎ話のように自分の人生を語る父エドワード(アルバート・フィニー)に不満を抱くウィルを演じました。エドワードが語る若かりし頃の物語をバートン流の毒気を効かせつつファンタジックに表現。その回想の中でマクレガーはエドワードの青年時代もコミカルに演じ分け、見事に一人二役をこなしました。

    『恋は邪魔者』……胸キュンな軽薄プレイボーイ

    その一方、マクレガーは同時期にレニー・ゼルウィガーと共演した『恋は邪魔者』(2003年)でプレイボーイのジャーナリスト・キャッチャーを演じました。TVで痛烈に彼を批判した女流作家バーバラ(ゼルウィガー)を陥れようとするうちに、彼女に恋をしてしまうというラブコメの定石的な役どころ。モテモテだけど少し抜けていて、胸キュンなマクレガーを見ることのできる一本です。

    『アントマン』(2015年)のペイトン・リード監督の演出による、ミュージカル要素も盛り込まれた2人の恋の駆け引きや、1950年代風のファッション描写も見どころです。

    『砂漠でサーモン・フィッシング』……砂漠で奮闘する水産学者

    仕事と釣り以外には興味なし。ところが無理難題と恋愛に奮闘するはめになった男を演じた『砂漠でサーモン・フィッシング』(2011年)。英国のベストセラー小説を映画化したドラマで、マクレガーはアラブの大富豪の「イエメンでサケ釣りをしたい」というわがままを叶えるために奔走する水産学者ジョーンズを演じました。

    『親愛なる君へ』(2011年)の名匠ラッセ・ハルストレム監督が手掛けた本作は、ユーモアとトキメキと感動が絶妙にブレンドされたラブ・ストーリーです。

    『ゴーストライター』……国家の陰謀を知ってしまった物書き

    シリアスなサスペンスでも見事な演技を見せるマクレガー。英国元首相の自叙伝執筆を請け負ったゴーストライター(マクレガー)が、国家の陰謀に巻き込まれていく『ゴーストライター』(2010年)。元首相の過去を調べるうちに恐ろしい秘密を握ってしまう物書きの緊迫感を、マクレガーがこれまでの作品とは異なる雰囲気で体現しています。

    監督は『戦場のピアニスト』(2002年)のロマン・ポランスキー。名匠とも呼ばれる彼ですが、過去に未成年の少女に性的暴行を加えた罪で有罪判決を受けており、本作の編集作業中にスイスで拘束された逸話も……。しかし、マクレガーは本作の公開時にインタビューで、ポランスキーを「母親のような存在」と例え、彼への信頼をあらわにしていました。

    『ムーラン・ルージュ』……恋に身をやつす作家の卵

    また、マクレガーは『ムーラン・ルージュ』(2001年)で本格ミュージカル映画にも挑戦。パリのナイトクラブを舞台に繰り広げられる、美しくも悲しい恋の物語です。マクレガーはパトロンを探す高級娼婦サティーン(ニコール・キッドマン)と恋に落ちる作家志望の青年クリスチャンを演じています。

    本作でマクレガーとキッドマンは吹き替えなしの歌声を披露。貧乏で内気な青年が歌で愛を伝える姿はカタルシスにあふれています。また、華麗なショービジネスの世界を再現するために、豪華なセットや衣装が用意された他、ポール・マッカートニーやマドンナなど有名楽曲も使用されています。

    プレイボーイに学者、ゴーストライターなど、多岐にわたる役を演じてきたマクレガー。かねてから才能あふれる新鋭の監督作に参加したり、面白い企画を自ら考えたいと言っていた彼は、ついに昨年『アメリカン・パストラル(原題)』(2016年)で監督デビュー。初メガホンを振るうにあたり参考にしたのは、ボイル監督の演出スタイルだったそう。そんな信頼する盟友と再びタッグを組んだ『T2 トレインスポッティング』は、マクレガーの原点、そしてキャリアを再確認できる作品です。

    『T2 トレインスポッティング』-4月8日より丸の内ピカデリーほかにてロードショー (C)2017 Time Inc (UK) Limited. NME is a registered trademark of Time Inc (UK) Limited being used under licence.

    (文/足立美由紀・サンクレイオ翼)