先日のJ2第31節・ギラヴァンツ北九州戦、徳島ヴォルティスは渡大生の劇的な決勝弾で勝利。後半戦に入ってからは5勝3分2敗(9/14現在)。リーグ戦は2連勝となり、天皇杯も含めれば公式戦4連勝中と終盤に向けて面白くなってきた。
さて、少し早いが来週に開催される天皇杯3回戦・湘南ベルマーレ戦に向けて紹介したい人物がいる。湘南でプロ入りを果たして土台を築き、今季はここまでリーグ戦28試合1得点という結果で徳島の主力として存在感をみせる岩尾憲。昨季の水戸ホーリーホック在籍時に続き、インターセプト数やパス数、成功率も含めて特徴を存分に生かしている。
湘南時代の話を聞くと、「本当に自分を育ててくれたチームです。ケガがあっても見捨てないでくれて、自分に足らない部分を優しく厳しく・・・。ほとんど厳しかったですけどね!(笑)。根気強く観てくれて、もちろん水戸時代もそうですが、その時があって今の自分があります。そういう意味では自分が成長した姿だったり、湘南を巣立って自分がどういう風な選手になったかというのを生で見てもらえるというか、そういういい機会だと思います。自分自身は、行きたいなぁとは思っています」と言う。大事な時期に差し掛かるリーグ戦の合間に行われる県外での試合だけに、どういったメンバー構成になるかどうかはまだ分からない。しかしながら、岩尾が行きたくなる気持ちもよく分かった。
思い返せば、加入直後の1月にも岩尾に湘南時代の話を聞いたことがあった。「もともとは守備が全然できない選手でした。シャドーとしてプロ入りして、攻撃のポジションでした。でも、守備が全然できなくて、すごい怒られました。それで反省して、じゃあどうすればという所が少しずつ身になって来たのかなとは思います。守備を課題にしているうちに、気が付けば守備の選手になってました。でも、そこはそこで伸びた所なので更に伸ばしていきたいです」と話していたが、湘南時代があってこそ現在の岩尾があるのだろう。今も日々新しい課題に挑戦し、さらなる成長を遂げようとする姿勢はサッカー選手以前に人として学ぶべきことが多い。
【柏原敏(ヴォルティススタジアム)】かしはら さとし。徳島出身在住で、大阪・徳島の出版社を経て独立。「EL GOLAZO(エル・ゴラッソ)」、地元情報誌などに寄稿する、練習場には週2~3回通い練習場での出来事を中心に執筆。