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まるで校則? “ペップ・スクール”ではピザもスマホも禁止|コラミィ× スポーツ

    (Getty Images)(Getty Images)

    ①体重オーバー ②ピザ ③ジュース ④ヤヤ・トゥーレ(と代理人) ⑤プライベートの食事 ⑥オーソドックスなGK ⑦奇抜な髪形 ⑧インターネット。

     上記は、マンチェスターCのペップ・グアルディオラ監督が禁止(締め出した)したものリストだ。今季から指揮をとるスペイン人指揮官は、ピッチ内外で様々な規律を課することで知られ、その禁止事項は多岐に及ぶ。なかにはまるで中学校の校則のような、やりすぎた規則も存在している。

     稀代の名将が新天地でまず目にしたものは、明らかにコンディション不良の選手たちだった。前任のマヌエル・ペジェグリーニ監督が放任主義的だったこともあり、スター軍団はピッチ内外で自由を謳歌。モチベーションは選手・試合毎にまちまちで、食べたいものを食べる。これではパフォーマンスが安定するはずがない。

     そこでペップは早速、ピザやジュースなど高カロリーな食品を禁止。ベスト体重を超える選手に対しては「ファットキャンプ」と呼ばれる特別メニューを命じた。体重オーバーを指摘されたサミル・ナスリは、ジム送りの末にセビージャへと期限付き移籍に出されている。“締め出し”を食らったのは、Y・トゥーレも同様だ。近年めっきりスプリントを嫌うようになったコートジボワール代表MFは、指揮官の構想からも、チャンピオンズリーグの登録メンバーからも外れた。挙げ句の果てには、代理人と監督が「謝れ」「何を?」と子どものような喧嘩を勃発させている。退団は確実といって差し支えない。

     例え素行に問題がなくとも、指揮官の哲学にそぐわない選手も同じ運命をたどることになる。ジョー・ハートは足元の技術と、スイーパーキーパーとしての能力不足から、満足なチャンスも与えられずお払い箱に。ファンから絶大な人気を誇っていた守護神は、トリノへと新天地を求めている。

     このように、ペップ流に従えないものはクラブを追われることになる。ただし、マンCに残っても、そこには厳しい規則が待っている。

     ボールの繋ぎ方からプレスのかけ方、立ち位置など神経質なまでに戦術にこだわる指揮官は、当然ピッチ外でも選手を多くの規則で縛る。パブロ・サバレタによると、選手は朝食と昼食を一緒にとることを義務付けられており、家族や恋人との食事が許されているのは夕食のみ。最近では、インターネットが新たにNGリストに加わった。トレーニング場でのスマホの使用は禁じられ、クラブハウスのWi-Fiはオフ。ロッカールームには3G回線すらないという。時代錯誤にも感じられるこのルールに、「隔離されたようだ」との声も上がっている。

     さらに驚きなのは、髪形。お隣マンチェスターUには、稲妻の剃りこみやモンスターボール柄などを入れたポール・ポグバ、アフロのマルワン・フェライニなど、個性的なヘアースタイルの面々が並ぶ。しかし、これらはマンCではNG。頭髪検査の有無は不明だが、ペップは選手に「普通」の髪形をするように伝えており、ケヴィン・デブルイネのそれがお気に入りとのこと。

     食事は選手のパフォーマンスに直結するため理解できるが、プライベートの時間やインターネットまで規制し、ヘアースタイルにも注文をつけるのはいかがなものか…。結果が出ているうちはいいが、不調に陥ったときに選手の不満が爆発、というシナリオも考えられなくはない。昨シーズンまでバイエルンで指導を受けた“卒業生”アリエン・ロッベンはこういった。

    「『あれをやれ、これをやれ』と言われるのは好きじゃない。自由にやりたいんだ」「サッカーというのは非常にシンプルなものだよ」