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スペイン人指揮官も太鼓判!プレシーズン影の功労者J2徳島・小幡直嗣通訳|コラミィ× スポーツ

    今季スペイン人指揮官・リカルドロドリゲス監督を新たに迎えJ2開幕を迎えた徳島ヴォルティス。プレシーズンを振り返り、「この時期に完璧だと言えるチームはないと思いますが、着実に積み上がっているものがあるのは事実です」と話したキャプテンの岩尾憲。充実したプレーシーズンを過ごせた要因は様々あると思うが、影の功労者であろう人物を紹介したい。

    それはリカルドロドリゲス監督の考え方やメッセージを代弁してきた通訳の小幡直嗣の存在だ。
    徳島ヴォルティスと小幡の出会いは昨年。レアル・マドリード、アトレティコ・マドリード、パルメイラスなど世界各国からトップレベルのユースチームが招かれてスペインのマドリードで開催された『Mundial de Clubs U17』に徳島のユースチームも参加した。その際、「色々な面で助けてもらいました」(岡田強化部長)と現地で通訳としてサポートしてもらった。しかし、「実はそれが今季から通訳をすることになったきっかけじゃなかったんです」。その後、徳島で通訳を探しているという話でまったく別の所から声がかかり、気がつけば何かに導かれるように今季から徳島で通訳を務めることになった。

    スペインでは指導者として自身のキャリアを積み上げてきた小幡だが、通訳の経験自体はなかった。だが、不安よりも「いい経験ができるというポジティブな思いの方が強かったです。監督に直接お会いしたことはなかったですが、昨年末にSkype(スカイプ)でどういうサッカーをしたいという話を聞いて非常に知識が豊富な印象を受けました。自分自身も指導者を目指している中で、通訳をやったことがないという不安よりもいい環境で学べるチャンスだとも思えました」。とはいえ、通訳というのは一朝一夕でこなせるものでなければ、ただ翻訳すればいいというだけのものでもない。ましてや、監督専任の通訳ともなれば、選手との距離間も難しい。「僕の人間性としては誰にでも近づいていってしまうタイプですが、そこはそうならないように気をつけています」。

    始動日から約6週間、小幡にとっても様々な試行錯誤があったことだろう。だが、すでに監督の側に立って選手たちに監督のメッセージを代弁する姿は堂に入っている。リカルド監督も小幡の仕事ぶりを「ビエン、ビエン、ビエン(いいと思います)」と認めており、「通訳の役割は重要です。(ただ訳してもらうだけでなく)例えばトレーニングの際は事前に映像を一緒に見ます。自分が思っている練習の意図を理解してもらいながら、より選手たちに上手く伝わるようにもしています。これまでもサウジアラビアやタイで色々な通訳の方と一緒に働いていましたが、その役割は重要な部分だと感じています」と続けた。
    これからもリカルド監督の側で奮闘する小幡通訳の姿もぜひ楽しみにしてもらいたい。

    【柏原敏(ヴォルティススタジアム)】かしはら さとし。徳島出身在住で、大阪・徳島の出版社を経て独立。「EL GOLAZO(エル・ゴラッソ)」、地元情報誌などに寄稿する、練習場には週2~3回通い練習場での出来事を中心に執筆。