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タッチラインで魅せる職人芸 正確なクロスでチームに貢献するJ2大分DF黒木恭平|コラミィ× スポーツ

    サイドで上下動を繰り替えし、起点となって試合を組み立てることもあれば、クロスで決定機も作る。今季、ポゼッションサッカーを標榜する大分トリニータにあって、新加入ながら片野坂知宏監督の戦術を理解し、具現している選手のひとりだ。

    本人曰く、自ら得点を狙うよりも、正確なアシストで勝利に貢献する黒子に徹するようだ。

    「サイドを上がったときに、中央に切れ込んでシュートを打つか、ライン際からクロスを上げるかどちらでも狙える場面だったら、迷わずにクロスを上げます。今の僕にはその選択の方が得点に至る可能性が高いはずだから」

    淡々と冷静に語る黒木だが、だからと言ってシュートに自信がないわけではない。左足から放たれるキックは威力十分だ。だが、それよりも正確なクロスに絶対的な自信を持っているのだ。

    一般入試で福岡大学に進み、大学4年時から左サイドバックにコンバートされ、特別指定選手としてサガン鳥栖に登録された。卒業後に鳥栖に加入し、その後、愛媛FC、JFLのヴェルスパ大分、レノファ山口と渡り歩いた。昨年12月にトライアウトを受け、いくつかのオファーを受けたなかで、「片野坂監督のつなぐサッカーが自分には合う」と、迷う事なく大分への移籍を決めた。

    独自のサッカー観からもたされる頭脳的な球さばきは、常に2手3手先まで読んでいる。冷静な瞬時の判断から繰り出される黒木のプレーに、一時たりとも目が離せない。

    【柚野真也(trinita eye)】ゆの しんや。1974年、大分県大分市生まれ。大学卒業後、専門紙の記者として活動。その後、フリーランスのライターとして活動を開始。JリーグからFリーグ、バスケットボールのbjリーグなど、九州のスポーツシーンを数多く取材。「週刊サッカーダイジェスト」、「J2マガジン」「九州Jパーク」などサッカー専門媒体や、朝日新聞大分頁で毎週土曜にスポーツコラムなど執筆している。