原作ファンをも唸らせる映画とは
本やマンガが映画化されたときに出る、「原作に忠実でない」、「あのシーンがない」といった批判。原作を先に読んだ人が「原作も映画もよかった」と思える映画はあるのでしょうか。原作をこよなく愛しているけれど、映画版もよかったと語ってくれた方々にお話を聞いてみました。
『ロード・オブ・ザ・リング』
「原作はかなり細かい部分まで世界観が作り込まれていたので、映画にはあまり期待していなかったが、何より映像技術と音響の迫力に圧倒されてしまった。細かい設定や、登場人物のイメージが少し違ったものの、あれほどの大作を2時間の映像に落とし込み、原作を読んでいない人にもわかりやすく噛み砕いてくれたことは、原作ファンとして感謝したい」(静岡・25歳女性)
ファンタジー小説が原作の映画は、その世界観を再現する難しさから、批判が集中しがち。そんな中、原作ファンにここまで言わせてしまう『ロード・オブ・ザ・リング』のすごさが伺えます。
『ショーシャンクの空に』
「スティーヴン・キングが原作の映画の中でも、『ショーシャンクの空に』は特に良かった。原題の『刑務所のリタ・ヘイワース』からタイトルを変えたことへの批判も中にはあったようだが、個人的には映画版は原作よりもヒューマン要素が強く、メインテーマが違っていたので、適切なタイトルだと思ったし、映画は映画で良かったと思う」(東京・31歳男性)
スティーヴン・キング氏原作の映画の中でも、フランク・ダラボン監督の作品は高く評価されているものが多いよう。他の作品もチェックしておきたいですね。
『寄生獣』
「『ミギー』をはじめとした寄生獣を実写で再現するのは難しいと言われていたが、CGであれだけリアルに再現できたのは率直にすごいと思った。あまりにリアルなので、キャラクターに感情移入してしまったほどだった」(東京・24歳男性)
「映像化不可能」と言われた原作が映画化された場合も高く評価されますよね。CGなどの技術ももちろんですが、ミギー役の阿部サダヲさんも名演でした。
『嫌われ松子の一生』
「ストーリーは原作とほとんど同じだが、世界観がポップすぎて最初は面食らった。でも、ある種の芸術作品のようにも思えるほど、挿入歌や色使いなどが独特で惹かれるものがあり、映画は映画として好きになった」(東京・33歳男性)
「原作に忠実でない」というのが原作ファンから集まりやすい批判ですが、テイストが異なっても「これはこれでいい」と評価される場合もあるようです。
原作ファンからも、映画ファンからも愛される作品は存在したんですね。原作派も映画派もお互いの領域を行き来しながら、楽しみを増やしていってほしいと思います。
(佐々木ののか+プレスラボ)
『嫌われ松子の一生』
「ストーリーは原作とほとんど同じだが、世界観がポップすぎて最初は面食らった。でも、ある種の芸術作品のようにも思えるほど、挿入歌や色使いなどが独特で惹かれるものがあり、映画は映画として好きになった」(東京・33歳男性)
「原作に忠実でない」というのが原作ファンから集まりやすい批判ですが、テイストが異なっても「これはこれでいい」と評価される場合もあるようです。
原作ファンからも、映画ファンからも愛される作品は存在したんですね。原作派も映画派もお互いの領域を行き来しながら、楽しみを増やしていってほしいと思います。
(佐々木ののか+プレスラボ)