『キュルキュルキュル……カシャ』
この音にピーンときた人はいるでしょうか。長方形の形、2つの穴にぐるりと巻かれたテープ……そう、カセットテープ!
カセットテープは、音声を保存できる磁気テープを、小型のケースに入れたオーディオ用メディアのこと。専用の機器(デッキ)に入れるだけで音が再生出来ます。
日本では1960年代に発売され、1980年代に最盛期を迎えましたが、CDなど他のメディア媒体にその座を奪われ、ほとんどその姿を見かけなくなりました……。
ところが近年、このカセットテープが再注目されているんです!
カセットテープは、CDやDVDのように曲の順番を飛ばすことが出来ません。
つまり、アルバムならばアーティストの意図した順番で聴かせることが出来ます。この点を利用して、UNICORNなどの各有名アーティストが、ぞくぞくとカセットテープに”参入”しているとのこと。
さらに驚くべきことは、『ビートソニック』というナビやテレビなどのカー用品を作るメーカーが、車載用のカセットデッキを作ってしまったこと!
もちろんカセットテープだけでなく、MP3ファイルやスマホの音楽も再生が可能。でも、このデッキの特筆すべき点は他にあります。
それは、オートリバース機能付き。
この単語、若い人にはチンプンカンプンかと思われます。オートリバースとは、カセットテープのA面とB面を自動で再生してくれる機能のこと。カセットテープには2つの面があり、A面が聴き終わったら手動でテープを取り出し、裏返してB面を差し込む必要があります。
そうしなければ、全ての曲を聴くことは出来ません。つまり、この一連の非常に面倒くさい作業を自動でやってくれるという優れもの。
カセットテープ世代にとっては、まさしく夢のようなヨダレものの機能なんです!
ともあれ、一般的な音楽ファイルも再生可能なこのカセットデッキ。
もしも好きなアーティストが突然カセットテープで新曲を発売したって、対応出来るという意味では非常に心強い味方と言っても過言ではないでしょうか。
カセットテープが懐かしい世代のあなたも、馴染みのない世代のあなたも、一度触れてみてはどうですか?
(文/桜庭巴)