大好きな相手はすでに結婚しているという許されない恋、不倫。最近、世間で何かと話題になっている不倫ですが、渦中の本人たちは良心と実らぬ恋の間で複雑な思いを抱えているのではないでしょうか。今回は不倫経験者なら必ず泣いてしまうような映画をピックアップ。不倫をしたことがない方も思わず涙してしまうかもしれない作品の数々をご賞味ください。
■登場人物の全てに共感? 『サヨナライツカ』(2010年)
「タイのバンコクで繰り広げられる不倫の話。夫に愛されない寂しさも相まって浮気に走る沓子と、夫を奪われまいとして健気に待つ光子、その狭間にいる豊のどれにもどこか共感してしまう部分があり、胸が締め付けられる思いが……」(東京・31歳女性)
原作の辻仁成さんと当時ご結婚されていた中山美穂さんが主演を務めたことでも話題になった作品。その後のご夫婦関係を考えると、これまた考えさせられるものがあります。
■不倫映画の定番にして濃厚な作品!『失楽園』(1997年)
「一線を外れた編集者としとやかな魅力を持つ書家の不倫の話。徐々に社会から隔絶されていくのに反して、高まっていく二人の気持ちに共感を覚えた。ただ、ヒロインの凛子が不倫など到底しそうにない淑女だということや、途中出てくる喪服姿など、男のロマンが散りばめられた作品なので、あくまで物語の話、という感じもする。実際はこんなにきれいじゃないかも(笑)」(東京・25歳女性)
やはりというべきか不倫は「男のロマン」なんでしょうか。不倫をテーマにしたシンボル的映画とも言える『失楽園』ですが、映画『愛の流刑地』も渡辺淳一さん原作のもの。気になった方はチェックしてみてくださいね。
■30年越しの“純愛”の行く末は?『マディソン郡の橋』(1995年/アメリカ)
「洋画で不倫をテーマにした映画と言われたら、これを推す。夫と子どもが留守にしている4日間で愛を育んだものの、結ばれず、その後、30年間も互いを思い続けたというストーリーもそうだが、舞台になったローズマンブリッジの景観も美しい。『家族を捨てられない』と断ったフランチェスカを見ると、思い出は思い出としてきれいに残しておく努力も必要だと思った……。現実でもこうやって短期間の不倫ならきれいなのかな」(東京・33歳男性)
「許されない恋」や「実らなかった恋」には、どこか美しさがありますよね。この映画で扱われる「不倫」に「純愛」を感じてしまう気がするのは私だけでしょうか。
■ピュアすぎる不倫の形『恋に落ちて』(1984年/アメリカ)
「通勤列車で顔を合わせているうちに恋に落ちてしまったという青春ラブストーリー並みのピュアすぎるなれそめ。しかも肉体関係にならずに育まれる2人の愛の強さに感銘を受けた。不倫はいけないことだとはわかっているが、人を愛することの素晴らしさを見せてもらった。自分の不倫の恋が終わった後、やっぱり罪悪感があったけれど、どこか救われた気がする」(東京・28歳女性)
不倫と聞くと、肉体関係を連想してしまいがちですが、こうした形の不倫もあるんですね。不倫でなくともあまり出会えないタイプのピュアな恋。フィクションとは言え、羨ましい限りです。
エロティック要素の強い濃厚なもの、純粋でプラトニックなものなど、不倫映画と一口に言ってもいろいろなものがあるんですね。しかし、そのどれもが不倫経験のある方の心に深く突き刺さり、ときに寄り添ってきたのでしょう。とは言え、不倫経験がない方のほうが多数派。現実には経験しがたい不倫を映画で“追体験”してみるのも良いかもしれません。
(佐々木ののか+プレスラボ)