NHK大河ドラマ『真田丸』(日曜後8:00)が序盤のクライマックスを迎えた。近年、視聴率では低迷を続けてきた大河ドラマ55作目は、NHKにとって起死回生の策だった。脚本にヒットを連発する三谷幸喜(54)を配し、主演に“半沢直樹”で大ブレイクした堺雅人(42)、久々の戦国時代モノで、しかも主人公に真田幸村という歴史好きにはたまらない組み合わせを実現。初回視聴率19.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)とまずまずの好スタートを切っている。
■序盤でもっとも評価を上げたのはあの男
俳優陣が豪華なのも大河ドラマの魅力だが、その評価は大きく分かれている。序盤までの『真田丸』でもっとも株を上げたのは誰なのか? テレビ誌ライターが語る。
「やはり昌幸役の草刈正雄が序盤のいちばんの勝ち組でしょう。老獪で二枚舌な策略家である昌幸役にハマったことで業界の注目度が高まっています。連日ニュースのネタになり、検索ワード数も急上昇。あくまで脇役としてですが、大河後には民放ドラマの目玉としてオファーが殺到するはず。地味なところでは、直江兼続を演じる村上新悟(41)もツンデレな演技とイケメンボイスで注目度が高まっている。村上は4年連続大河ドラマに出演する異色の本格派俳優で、無名塾に14年在籍して昨年独立したばかり。今後、さらに名前が知られていくでしょう」
そんな俳優陣にあって、主役であるはずの堺雅人はまだ本領発揮とはいっていない。その理由は明らかだ。
「この序盤は『信繁青春編』とうたわれているように、主人公・信繁の少年期~青年期を描いているので、武将としては修行期間にあたる時期。今は昌幸の指示に従う場面が多く、海千山千の武将に囲まれて誠実な青年という枠で終わっている印象。今後は成長していくことで信繁のキャラクターがより強調されていくでしょう」(前出・ライター)
一方、女優陣はどうか。信繁を取り巻く三角関係でヒロインを演じるのが、最初の妻となる“梅”役の黒木華(26)と幼なじみ“きり”役の長澤まさみ(28)。骨太な戦国ドラマにおいて貴重な彩りを与える存在だ。
「良くも悪くも強烈なインパクトを残しているのが長澤まさみです。ひとりだけ時代劇に似合わない現代的な言葉使いで、ドラマの中で浮いている感じは否めません。不幸にも視聴者が感想を書き込むSNS上では“ウザキャラ”などと言われています。とはいえ、史実的には信繁の一生を支えたのはきり。こちらも女性としてどう成長していくかが楽しみでもあります」
ドラマは中盤に入りますます盛り上がっていく。今後の展開も楽しみである。
文・麻布市兵衛