老後も心配だけど、目指すはマイホーム! という人も少なくないのでは。まずはプランを立てたいところですが、どれくらいマイホームのために貯蓄ができるかは、家族構成や、世帯収入がバラバラなので三者三様。なので、今回は3つのモデル世帯を設定し、それぞれ家を買う設定で、あんしんFPパートナー株式会社のコンサルタント渡邉佳真さんに、ライフプランを考えて頂きました。
まずはタイプ1、夫と妻の共働き家庭(DINKs)パターン。設定は下記の通りです。 (夫35歳 妻35歳 共働き世帯 年収700万 貯蓄300万)
「家を購入するとし、無理のない住宅ローンを組むのであれば35歳で5000万円~6000万円(25年ローン)の住宅ローンが可能と思います。ただし、DINKsの場合は介護資金や老後資金を多くする傾向もあり4000万円~5000万円ですと万一何かあっても対応可能と思います」(渡邉佳真さん 以下同)
2009年に内閣府が男女共同参画社会に関する世論調査の結果、20代・30代の約6割は「結婚しても必ずしも子どもを持つ必要は無い」という考えに賛成しているといい、その結果を裏付けるように、夫婦のみの核家族世帯は2001年940万世帯、2009年1069万世帯、2015年には1187万世帯と右肩あがり。(平成27年 国民生活基礎調査の概況)
子どもを意識的に作ろうとしないこの世帯は、仕事も、家庭も、趣味も全部楽しむことができる。家を購入するのもハードルは高くなさそうです。
次にタイプ2、夫・妻・子どもの3人家族のパターン。設定は以下の通りです。 (夫・会社員35歳 妻・パート35歳 子ども一人5歳 年収550万 貯蓄150万)
「月々の生活費が20万円の場合、年間310万円の貯金が可能ですので、お子様が15歳になる時には3100万円の貯蓄が可能ですが、お子様が16歳から22歳の時の平均教育費が約880万円なので2220万円(3100万円-880万円)を頭金とした住宅ローン(15年ローン)が無理のない設定です。残り15年でいくら返済可能かは各家庭で異なりますが、月額10万円の返済が可能の場合は4220万円程度(10万円×180カ月+2220万円)の住宅が購入可能です」
月々の生活費をどれだけ削り、20万円に抑えることができるかがポイントになりそうですね。しかし子どもにかかる突発的な費用もあるだろうし、年に1回は家族で旅行するかもしれません。試算通りの貯蓄は難しいかもしれませんが、買う家の金額を低めにすれば、なんとかなるかも…。
最後にタイプ3 単身世帯のパターンです。設定は以下の通りです。 (会社員 35歳 年収400万 貯蓄150万)
「月々の生活費が15万円の場合、年間220万円の貯金が可能ですので、45歳になる時には2200万円の貯蓄が可能です。従いまして2200万円を頭金とした住宅ローン(15年ローン)が無理のないものです。残り15年でいくら返済可能かは各世帯で異なりますが、月額10万円の返済が可能の場合は4000万円程度(10万円×180カ月+2200万円)の住宅が購入可能です」
月々の生活費を15万円に抑えるのはなかなか難しそうですが、もしできたのなら10年で2200万円貯まるのは驚きです。
参考までに、『みんなの声』で2015年12月に平均貯蓄額と比べてあなたの貯蓄額はどう?というアンケートを行った結果では、1位 50万円以下5946票(33%) 次点100万円~500万円未満4750票(26%)500万円~1000万円未満 2389票(13%)1500万円以上1922票(10%)50万円~100万円未満1775票(9%)の順になりました。
各タイプの世帯とも、年齢が上がるにつれ、年収も多少なりとも上がっていくはず。そうしたら貯蓄も思うようにできるようになり、このプラン通り家が買えるかもしれません。そして、ローンを払い終えてしまえば、その家は財産です。家賃も必要ないので、月々の生活費も抑えられるはず…。
みなさんはこの3タイプの世帯、どれに一番環境が近かったですか? 参考にしていただければ幸いです。
(文・山本健太郎/考務店)