Skip to content

40代、貯金22万円。震災で転居し転職。収入が半分に|みんなの声×コラミィ

    執筆者:あるじゃん 編集部 / All About

     

    毎月やりくりで精一杯のため、教育費が用意できません

    子どもの教育費、準備できるでしょうか?
    子どもの教育費、準備できるでしょうか?

    皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、家計のやりくりに悩む40代、会社員の女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
    ※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)

    ■相談者
    いなにわさん(仮名)
    女性/会社員/46歳
    東北在住/持ち家・一戸建て

    ■家族構成
    両親(年金暮らし)、夫(40代/会社員)、子ども2人(10歳/双子)

    ■相談内容
    月々のやりくりで精一杯、子供の進学が心配です。どうしたら貯金しながら余裕をもって生活できるでしょうか。震災でクルマをなくしたため購入。また、転居、転職で給与が約半分になりました。子どもが双子なので一度に出費がかさむためなかなか貯金ができません。

    ■家計収支データ

    「いなにわ」さんの家計収支データ
    「いなにわ」さんの家計収支データ

    ■家計収支データ補足
    (1)加入保険の内訳
    ・夫/終身保険(死亡保障550万円、65歳払い込み終了、医療特約入院1万円、がん診断給付50万円など)=保険料1万1078円
    ・妻/終身保険(死亡保障100万円、65歳払い込み終了、医療特約入院5000円、がん診断給付50万円)=保険料 5755円
    ・妻/個人年金保険(65歳から10年確定、年金額32万6000円)=保険料1万円
    ・子/医療保険(保険期間2022年、入院給付金5000円 運動器損傷給付5万円)=保険料2070円×2人分
    ・子/学資保険(5年ごと利差配当つき、満期保険金額100万円)=保険料 9553円×2人分

    (2)通信費3万円の内訳
    両親ガラケー2台4500円×2台 スマホ2台、プロバイダー料、ひかり電話 2万5500円

    (3)教育費の内訳
    学校費1万6000円、通信教育6200円、習い事5000円

    (4)ボーナスの使いみち
    カードローンの返済(生活費に使用/残額20万円)、自動車税

    (5)両親の年金額
    月20万円弱

    ■FP深野康彦からの3つのアドバイス
    アドバイス1 保険見直しで月2万円を捻出
    アドバイス2 頼れるならさらに親に頼ってもいい
    アドバイス3 大学進学は仕送りが発生するかどうかカギ

    アドバイス1 保険見直しで月2万円を捻出

    収入減と支出増でいっきに家計がきびしくなってしまったとのこと。立て直すには家計支出の削減と収入アップしかありません。そこで家計の見直しから考えてみましょう。

    そこで、まず気になるのがいただいたデータ。家計支出が計24万8800円。収入が30万円ですから、約5万円が貯蓄に回ることになりますが、実際の貯蓄は月1万円(学資保険を除く)。もしそうであれば、残り4万円は使途不明金になってしまいます。あるいは、単に記入もれかもしれません。家計を正確に把握していないと見直しはできませんので、まずは支出内容を再度確認してみてください。

    では、具体的にどこを見直していけばいいでしょうか。そもそも大きく無駄な支出をしているわけではありませんが、保険は見直しの余地があります。

    現状加入している保険で、残していいのは学資保険2本と奥様の個人年金保険です。個人年金保険は、もちろんご夫婦の老後資金の準備が本来の目的ですが、教育資金がどうしても足りなくなったときのための資金(解約返戻金)としても利用できるからです。

    それ以外の終身保険2本は払済保険に。掛け金の割高な終身保険は、現状では家計負担にしかなりません。ただし、ご夫婦とも死亡保障は必要です。ともに1000万円ほどを確保したいところ。たとえば、共済に加入し、不足分の死亡保障は10年定期で確保する(共済が病気死亡400万円なら定期保険で600万円)とすると、保険料は月6000円台後半で医療保障も得られます。あと、お子さんの医療保障も不要と考えてください。これで月2万円は貯蓄に回せます。

    あとは通信費でしょうか。自分たちも通信費も見直し、さらに言えば、ご両親のガラケー料金は親御さんに出してもらいましょう。

    アドバイス2 頼れるならさらに親に頼ってもいい

    ただし、家計はそれ以上なかなか削れないかのが、現状です。

    すると、あとは親御さんに頼るしかありません。とは言え、月6万円で家族4人の食費と水道光熱費、あと実質、家賃もそこから負担しているのに等しいですから、すでに親御さんに十分な支援をしてもらっています。それを承知の上で、毎月の生活費を4万~5万円程度に減らすよう、頼むということです。

    それほど、今の家計はきびしい状態です。もっとも怖いのは、貯蓄が22万円しかないこと。何かまとまった支出が発生すれば、一気になくなる額です。これを少しでも早く増やしていくことが最優先なのです。

    仮に、家計から3万円減らせて、親御さんへの生活費を1万5000円減額してもらえたとします。現在の貯蓄月1万円を加えて月5万5000円。ボーナスから4万円貯蓄に回すと年間でちょうど70万円になりますから、これをご主人が定年となるまで20年間継続できれば、計1400万円貯めることができます。

    もうひとつ検討すべきは転職による収入アップです。詳しい状況はわかりませんが、そのこと自体、年齢的、地域的に難しいことは想像できます。それでも、地道にその機会はうかがっておくべきでしょう。とくに奥様は資格の必要な職業に就いています。しかも職種のニーズはきわめて高い。収入アップの道はあるのではないでしょうか。家事や子育てとの両立は難しいかもしれませんが、そこは家族で協力し合い、乗り切ってほしいと思います。

    /アドバイス3 大学進学は仕送りが発生するかどうかカギ

    心配されている教育費ですが、高校までは公立であれば、それまでの費用は家計から捻出というのが、マネープランの基本となります。事前に用意すべきは大学費用。私立文系で390万円、私立理系で520万円ほどが4年間で大学にかかる費用です。1人400万円を目安とすると、学資保険の満期金が100万円ですから、残り300万円×2人分で計600万円。

    先の貯蓄から捻出すれば800万円ほど余り、それがもしものときの予備費であり、老後資金となります。もちろん、老後資金はそれだけでは不安ですが、長く働くことである程度対処できると思います。

    ただし、教育費で気になることがひとつ。進学する大学が自宅から通える範囲かどうか。首都圏などの大学に入学すれば、生活費が発生します。アルバイト収入から生活費すべてを得ることは難しいため、仕送りが必要になります。

    これをどれだけ捻出できるか。平均の仕送り額は月8万~9万円といったところ。奨学金という選択肢もありますが、安易な利用は危険です。300万円、400万円といった大きな負債を、社会に出る前から背負わせることは、私は避けるべきだと思います。したがって、給付型の奨学金制度を探したり、自宅通学が可能な大学を調べるなど、事前に十分検討してください。

    相談者「いなにわ」さんから寄せられた感想

    マネープラン診断、じっくり読ませていただきました。使途不明金の多さやざっくりし過ぎのやりくりを感じました。家計簿は付けているだけであったり、保険も今週改めて見直すこととなりました。払済保険というものも初めて知りました。収入アップのため子供が大きくなるタイミングに合わせ可能な限り私が転職など考えようと思います。診断していただきありがとうございました。子供達がやりたいことをやれるよう、老後迷惑をかけないようやりくりします。

    教えてくれたのは…… 

    深野 康彦さん

    undefined

     

    業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

    取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ

    【関連記事をチェック!】
    39歳子持ち、貯金20万。夫は事業失敗で借金を抱え…
    36歳子ども2人。貯金ゼロで毎月7万円以上の借金返済
    45歳借金500万円。買い物が止まらない最低な自分です
    44歳子持ち、貯金20万円。家計の立て直しは間に合う?
    36歳毎月10万円の赤字。貯蓄ほぼ0円で親からの借金も

    この記事に関するアンケートはこちら

    【関連記事をもっと読む】

     

    ▼コラム提供サイトはこちら

    生活総合情報サイトAll About(オールアバウト)。その道のプロ(専門家)が、日常生活をより豊かに快適にするノウハウから業界の最新動向、読み物コラムまで、多彩なコンテンツを発信。