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外国人にも大人気!「江戸東京博物館」5つの見所|みんなの声×コラミィ

    藤丸 由華

    東京ガイド 藤丸 由華 / All About

    パワーアップした江戸博の常設展示室

    江戸東京博物館の外観
    両国駅からのアクセスも便利な江戸東京博物館

    とある平日の昼間、東京・両国駅が外国人観光客で結構な混雑となっていました。「大相撲の場所中でもないのに……国技館を建物だけでも見に来たの?それともちゃんこ?」と不思議に思いつつ下車したのですが、彼らが向かった先は国技館のお隣、江戸東京博物館でした。

    常設展示室
    とにかく何もかも大きい!そして緻密な常設展示室

    1993年、「江戸と東京の歴史や文化を伝える博物館」としてオープンした江戸東京博物館、通称“江戸博”。開館から20年以上たった2015年3月、約9000平方メートルの広大な常設展示室を改修し、パワーアップしてリニューアルオープンを果たしました。博物館の5階・6階にまたがる常設展示室には約2000点もの展示物がありますが、とにかくスペースが広く空間を贅沢に使っているので、ダイナミックな展示が多いのが魅力です。

    江戸時代の日本橋
    江戸時代の『日本橋』が原寸大で再現。ここから展示がスタートです

    まず6階の入口入ってすぐ、度肝を抜かれるのが江戸時代の姿そのままに原寸大(長さは半分)で復元されている『に本橋』です。江戸の街の中心だった日本橋を橋脚にいたるまで緻密に再現していて、渡ってみると意外に幅が広いことなどを体感できます。この橋を渡るといよいよ展示がスタート。橋の眼下、左側に広がるのが江戸開府から明治維新までを紹介する「江戸ゾーン」、右側に広がるのが現在に至るまでの東京の移り変わりを見られる「東京ゾーン」というわかりやすい構成となっています。江戸ゾーンの展示で盛り上がりすぎて、東京ゾーンに入る前に力尽きてしまうというもったいない来館者も多いそうなので、ペース配分を考えていざ進みましょう!

    次から、広大な江戸東京博物館・常設展示室のキモともいえる「5つの見所」をご紹介します。

    【見所1】庶民の“住まい”の移り変わりを体感

    長屋の職人の部屋
    江戸時代の職人の部屋。職場であり生活の場でもあるので、最低限のものがスッキリと片付いています

    新しくなった江戸東京博物館・常設展示室の大きな見所の一つが、広大なスペースを有意義に使った「実物大」の模型。中でも江戸時代の庶民が暮らしていた『棟割長屋』では職人や、今まさに赤ちゃんが生まれたばかりの家族、寺子屋などが1棟にひしめき合って暮らしている様子がリアルに再現されています。約3坪のスペースに物を上手に収納し“日々断捨離”して暮らしていた様子や、住民が共同で使う雪隠(トイレ)の扉は下半分しかない(外から見ようと思えば見えてしまう!)ことなど、時代劇でもわからない江戸庶民の生活に色々と驚かされます。

    ひばりが丘団地の原寸大模型
    昭和生まれのガイドには懐かしすぎる『ひばりが丘団地』

    江戸時代の長屋の他にも昭和初期の和洋折衷の住宅や戦時下の家、さらには子供の頃こんな間取り普通にあった!と興奮してしまう高度経済成長期の団地などが縮尺なしで忠実に再現。歴史はちょっと……と敬遠しがちの人も、住まいという身近なコンテンツから、江戸時代~近代の移り変わりを肌で感じることができるのです。

    【見所2】こんなところまで見えちゃう!歌舞伎の展示

    中村座の芝居小屋
    中村座の芝居小屋。人気の撮影スポットの一つです

    6階の日本橋から見てもその大きさで来館者を圧倒していた江戸時代の中村座の芝居小屋。この中では江戸文化の花型・歌舞伎を様々な模型で紹介していて、外国人観光客にも大人気です。

    助六の舞台
    現在舞台で使われている衣装や道具を忠実に再現している『助六』の舞台

    素晴らしいのは江戸歌舞伎の代表作品『助六』の舞台が再現されていて、劇場に行ってもここまでは近寄れない!という近距離で衣装などを鑑賞することができること。さらに江戸時代後期に中村座で上演された『東海道四谷怪談』の見所の一つ・舞台上で繰り広げられる様々な「しかけ」がどうなっているか、からくり人形のような動く模型で明らかになるコーナーもあります。お岩さんの幽霊が現れたり消えたりといった現代人でも見抜けない舞台でのしかけが、定時になるとガイドの説明とともに惜しげも無くタネ明かしされ、こちらも必見の展示です。

    見所は、まだまだ続きます

    【見所3】鹿鳴館、凌雲閣……幻の建物が今蘇る

    鹿鳴館のジオラマ
    歩いていると足元に現れる、『鹿鳴館』のジオラマ

    明治時代、“欧米並みの社交場”として設けられた『鹿鳴館』や、浅草にあった12階建ての展望台『凌雲閣』。教科書や小説によく出てくるけれど、リアルに触れることがもうない幻の建築物も、緻密なジオラマで蘇っています。「鹿鳴館の庭ってこんなに広かったんだ」「凌雲閣って今で言う東京スカイツリーなのね」など、時を超えて身近に感じられる展示です。

    【見所4】ベストショットを撮ろう!乗って・触って・担げる展示

    昔の乗り物の体験展示
    テンションが上がる人気のスポット。来館の記念にとっておきの一枚を!

    江戸博の常設展示室はなんと撮影可(フラッシュの可・不可は展示による)。展示物の前で記念写真を撮ることができるのはもちろん、大名の駕籠や人力車、驚くほど前輪が大きな明治時代の自転車など、本でしか見たことのないような昔の乗り物に実際に乗って撮影もでき、これが大人気です。

    担げる『肥桶』の体験型展示
    担げる『肥桶』の体験型展示。チャレンジする来館者もその重さに度肝を抜かれます

    また千両箱や肥桶を実際に担げるコーナーも。時代劇などではお馴染みのアイテムですがこれが驚くほど重いのです!よくこれだけ重いものを持って、ひょいひょい歩けたり積み上げたりするもんだと心底感心。江戸の町人を尊敬せずにはいられません。今後、時代劇の見方も変わりそうです。

    【見所5】ショック!アレまでもう展示?!

    平成の展示物
    真面目な解説文を読むのも面白い、平成の展示物

    江戸、明治、大正、昭和の東京の移り変わりを見て最後にたどり着くのは平成の東京。なんとショーケースの中にはボディコンやコギャルファッション、ファミコン、ポケベルなどついこの間まで私たちが使っていたお馴染みのアイテムが展示されていて、ちょっぴり複雑な気分に。考えてみれば昨日だってすでに過去。その積み重ねが歴史を作り、自分たちも歴史の中に生きているのだということを改めて感じながら見学ルートは終了となります。

    遠い昔と思いがちな江戸・明治・大正・昭和の東京ですが、原寸大の模型やリアルなジオラマを通して見てみると、私たち現代人の生活との共通項が沢山見えてきます。江戸東京博物館の“新”常設展示室は、歴史や過去をより身近だと発見させてくれるスポットです。

    <DATA>
    江戸東京博物館
    住所:東京都墨田区横網1-4-1 
    TEL:(代表)
    常設展示観覧料:一般600円/大学生・専門学校生480円/高校生・中学生(都外)・65歳以上300円/中学生(都内)・小学生以下 無料
    開館時間:9:30~17:30 (土曜日は9:30~19:30)*入館は閉館の30分前まで
    休館日:月曜日(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌日)、年末年始
    アクセス:JR総武線『両国』駅西口より徒歩3分
    都営地下鉄大江戸線『両国』駅(江戸東京博物館前)A3・A4出口より徒歩1分

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