「キャプテン・アメリカ」のヨーロッパプレミアに出席するロバート・ダウニー・Jr.(GettyImages)
覚せい剤取締法違反で逮捕・起訴されていた清原和博元選手の判決が出ましたね。リハビリを経て、一刻も早くクリーンな生活を送れるようになったらと願うばかりです。こうしたドラッグ問題は海外セレブにも常につきまとっていて、経ち切れずに繰り返す場合も多いけれど、克服できた人だってもちろんいます。
■お父さんからドラッグをもらっていたロバート・ダウニー・Jr.
現在、『アイアンマン』で大人気のロバート・ダウニー・Jr.は、喜劇王チャップリンを演じた『チャーリー』でアカデミー賞候補になるなど実力派。
けれど、かつては「いい俳優だけど、薬物中毒の問題児」として有名でした。何せ逮捕歴は6回。しかも初めてマリファナを吸ったのは6歳の時、父親(映画監督で俳優のロバート・ダウニー・Sr.)に勧められたからという筋金入りで、小学生の時からマリファナ常用者だったのです。
初めての逮捕は1996年で、1999年には1年間、カリフォルニア州立刑務所に入所していたこともあります。2000年から放送されていた『アリー my Love』第4シーズンに出演中にコカイン所持で再逮捕されて番組を降板、メル・ギブソンが演出を手掛ける予定だった舞台『ハムレット』への出演も取り消しになってしまいました。
ただ、メル自身は、「ロバートは本当にいい役者だし、いいヤツ。誰にだって失敗はあるから、彼が演じられるようになるまで待つ」と庇うコメントを出していて、業界内では彼の才能を惜しむ声も多かったのです。
■ドラッグ断ちできたのはハンバーガーのおかげ!?
何度逮捕されても、リハビリ施設入りしても、ドラッグを経ち切れず、キャリアも低迷。そんなロバート・ダウニーでしたが、ある時、ドラッグパーティーに向かう途中、ふらりと立ち寄ったバーガーキングでハンバーガーと炭酸飲料を食べたところ、それがとんでもなくまずかったことで、「このままでは悪いことが起こる」と直感し、以降、キッパリとドラッグを止められたと雑誌のインタビューで語っています。食事がまずいほど依存がひどいことを自覚できたのが功を奏したのかもしれません。
『アイアンマン』の主演に抜擢された際、製作陣は薬物中毒のイメージのあるロバートを起用することに難色を示したと言われていますが、見事、作品を大ヒットに導き、以降の活躍は周知の通り。やっぱり仕事で結果を残すことって重要ですね。
■ドリュー・バリモアもドラッグ&アルコールで苦しみました
『チャーリーズ・エンジェル』などのドリュー・バリモアも、幼い頃からドラッグとアルコールの中毒でした。『E.T.』で天才子役ともてはやされてから生活が荒んでしまい、9歳で飲酒・喫煙、10歳でマリファナ、12歳でコカインを使用するようになったことを告白。
ローティーン時代からリハビリ施設入りを繰り返していたドリューだったけれど、もともとは聡明な彼女、自分に悪影響を及ぼしているのは母親だと気づき、15歳にして裁判所に訴えを起こして、自立。
以降は、酔っ払った勢いで19歳でスピード結婚&離婚したり、ヌードを披露したりとお騒がせな一面もあったものの、自分の製作会社を立ち上げて、『25年目のキス』や『チャーリーズ・エンジェル』など出演とプロデューサーを兼任したヒット作を連発。女優としてもビジネスウーマンとしても、不死鳥のように大復活を遂げたのでした。
■娘たちには自分の過去を隠していない母ドリュー
こうして、自身のちょっとダーティーなイメージを徐々に変えていき、再び成功を手にしたドリュー。この4月、美術コンサルタントのウィル・コペルマンとの離婚を発表しましたが、彼との間にはふたりの娘がおり、母親としての顔ももっています。雑誌のインタビューでドリューは「娘たちに自分は汚れなく純粋だったふりをしたくない。間違った選択をしたことで悪い人間になるわけじゃないから、正直に話すことが、より良い選択をするための手助けになると思う」と語っています。
自分が犯した過ちを知ってもらって、娘には「反面教師にしてほしい」と願っているのかもしれませんね。
(文・熊谷真由子)