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魚料理のうまさに地元民たちが太鼓判
Ravintola Salve

ヘルシンキ市民が口々に「魚料理を食べるならここしかないでしょ!」と太鼓判を押す老舗の大衆レストラン、ラヴィントラ・サルヴェ(Ravintola Salve)。2016年に、店舗の場所が少し移動しましたが、人気メニューはすべて従来のまま引き継がれています。

サルヴェが店を構えるのは、マーケット広場があることでも有名なヒエタラハティ(Hietalahti)地区の海辺の一角。ヒエタラハティは昔から造船業がさかんで、今でも店の先に伸びる港には、建設途中の大型船や迫力あるクレーンを臨むことができます。
そんな活気ある臨海エリアに、サルヴェの前身となるテイクアウト専門の小さな木造カフェスタンドが誕生したのが、1987年のこと。当時は、造船場で働く人や船乗りのために軽食やタバコを売りだしていたといいます。
やがて1927年に、「海の男たち」がわいわいと食事や一服、デートの待ち合わせをする大衆レストラン「ニュー・サルヴェ」がグランドオープン。レストランの評判は文化人や政治家たちにも伝わり、時とともにヘルシンキ市内でもとりわけ有名なレストランのひとつに。「船乗りたちの黄金時代」が過ぎ去ってしまった現在でも、海から帰ってきた魚師たちがビール片手に大笑いしていても違和感がなさそうな、堅苦しさのない陽気な雰囲気と賑わいはそのまま受け継がれています。
マストな看板メニューは、なんといってもニシンフライ!

サルヴェのおすすめメニューは? と尋ねて、十中八九返ってくる返答が「サルヴェ流ニシンフライ(Salven silakat)」。事実このニシンフライは、カフェスタンド時代のサルヴェからかれこれ100年以上続く、まさにこの店の名物メニューで、年間なんと2万を越すオーダーがあるほど! アメリカからはるばる帰ってきた船乗りたちも、いつも真っ先に店に駆け込んで揚げたてのニシンフライに食らいつくのが習慣だったのだとか。
1人で食べるには十分すぎるくらいボリューミーなニシンフライですが、その人気のわけは一口かじってすぐに納得。魚の風味を閉じ込めながらもサックサクの軽い歯ざわりが楽しめる秘訣は、表面にフィンランドパンの主原料でもあるライ麦粉をしっかりはたき、鉄板の上でじゅっと高温の油をかけて一気に揚げるオリジナルレシピにあるそう。バターの風味たっぷりで普通より粗ごしに仕立ててある、付け合わせのマッシュポテトとの相性も抜群です!

また、ニシンフライ以外にも挑戦したいメニューはたくさん。例えば前菜にはフィンランド郷土料理の定番、コクたっぷりのサーモンスープはいかが。
さらに、サルヴェの自慢は魚料理だけではございません! 高カロリーのがっつりメニューを欲していた船乗りたちに人気だったもう1つのメニューが、その名も「サルヴェ流ミックスフライ(Salven pannu)」。豚カツレツ、ソーセージ、炒めたイモにこってりソースがかかり、さらに半熟卵の目玉焼きがトッピングされた、カロリーを気にしていては絶対に口にできない逸品(笑) ニシンフライを食べたお腹にまだ余力があれば、ぜひ挑戦してみてください!
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■Ravintola Salve(ラヴィントラ・サルヴェ)
住所:Hietalahdenranta 5 C, 00120 Helsinki
TEL:
アクセス:トラム6「Hietalahti」下車南方へ徒歩約3分
営業時間:月~金曜11:00~23:00(金曜は~24:00)、土・日曜12:00~23:00(土曜は~24:00)
定休日:なし
平均価格:前菜9.5~15ユーロ、メイン16.4~35.6ユーロ、デザート4.2~10ユーロ
※予約が望ましい
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