“弱者”故に勝機あり イタリアがスペインに勝てる2つの理由|コラミィ× スポーツ

EURO2016グループEを首位通過したイタリア 写真は2016年6月13日(Getty Images)EURO2016グループEを首位通過したイタリア 写真は2016年6月13日(Getty Images)

 何の因果か、アッズーリ(イタリア代表の愛称)は、またしてもスペインと対戦することになった。EUROにおける顔合わせは、これで3大会連続だ。

 「史上最弱」とまで酷評されていたアッズーリだが、蓋を開けてみればEURO2016のグループEを首位で通過。堅守と老獪な試合運びでベルギー、スウェーデンを相手に連勝し、1試合を残して早々にトップでの勝ち上がりを決めた。

 対する王者スペインは、同様に2試合で決勝トーナメント進出を決めたが、第3節でクロアチアに逆転負けを喫し、まさかの2位通過。チャンスを効果的に得点に結びつけることができていない印象で、決定力に不安を残している。

 予想外の展開により、トーナメント1回戦で早くもイタリアとスペインが激突することに。両チームは2008年大会の準々決勝でも対戦し、PK戦の末にスペインが勝ち上がった。前回大会では初戦で1対1のドローを演じたのち、決勝では一方的な展開でスペインが勝利を収め、連覇を飾っている。

 「守るイタリア×攻めるスペイン」。今回もこの図式は変わらないだろう。

■イタリアを後押しする2つの要素

 ただし、今回はイタリアにとって2つのポジティブな要素がある。

 1つ目は、完全なアンダードッグとして試合に臨めることだ。 開幕前にクラウディオ・マルキージオ、マルコ・ヴェラッティを負傷で失い、独力で試合を決定付けるFWも不在のイタリアは、“色気”のないプレーに徹することができる。3バック+両ウイングバックを加えた守備網を敷き、ボールを奪えば前線のスペースへカウンター。これを愚直なまでに繰り返すことができる。たとえチャンスにならずとも、相手にも作らせない。守備に徹したイタリアを崩すのは、至難の業だ。

 もう1つは、スペインの攻撃にかつてほどの脅威がないこと。一世を風靡したティキタカへの研究は進んでおり、抜群の決定力を誇るダビド・ビジャや大舞台に強いフェルナンド・トーレスのような点取り屋は不在だ。アルバロ・モラタも優れたFWだが、クラブの同僚であるユヴェントス組からなる守備陣は、特徴を熟知している。シャットアウトは不可能ではないだろう。

■下馬評が低いときほど強い

 チェーザレ・プランデッリ監督のもとでEUROの決勝に進んだ4年前のイタリアは、パスワークに磨きをかけた攻撃的なチームで、現在と比較すればタレントにも恵まれていた。しかし今回は、幸か不幸か完全な“弱者”として、スペインとの決戦に臨む。伝統的に守備に重きを置くアッズーリに関して言えば、これはポジティブな要素とも取れる。攻め込まれながらも相手の一瞬の隙をついて、ウノゼロ(1対0)の勝利を手にする。この戦い方において、イタリアの右に出る者はいない。

 もちろん戦力、チームの成熟度、近年の成績、どれをとってもスペインが優勢なことに変わりはない。しかし、下馬評が低いときほどイタリアは強い。そのジンクスは今回のグループステージでも証明された。この勝負、アッズーリにも勝機はある。